2050年の望ましい日本社会を想像しながらの日々

2050年の望ましい日本社会を想像しながらの日々

2050年の望ましい日本社会を想像し、その実現に繋がる何かを考え、感じ、思う日々をメモします。

ベーシックインカムを実現するには、毎月いくら給付するかだけでなく、その通貨が社会の中でどのように使われ、流通し、最終的に回収されるかまで考える必要があります。
 

今回のシンBI2050論では、2050年の日本の人口を1億人と仮定し、4つの世代別給付額から年間給付総額を試算しました。


さらに、循環型デジタル通貨LSFDCを受け取った登録事業者が、事業者間取引や税金の納付にどう利用するのか、円への換金をどこまで認めるのか、消費税はどう扱うのかといった問題を、ChatGPTとの対話を重ねながら検討しています。


検討は、発行年度別4年サイクル会計、非常時準備金、特別会計制度の設計へと進みました。


まだ仮説と未解決の課題を含む段階ですが、ベーシックインカムを理念だけでなく、具体的な社会制度として考える試みです。


ぜひ、ご覧いただければと思います。

記事はこちら:

シンBI2050の給付額と循環型デジタル通貨LSFDCの流通・回収を試算する|税制・円換金・特別会計への接続 - シン・ベーシックインカム2050論

シンBI2050のデジタル通貨は、個人に給付して終わるものではありません。
 

個人が商品やサービスの購入に使ったLSFDCを、受け取った事業者はどう扱うのか。
どのような事業者が参加でき、仕入れや事業経費にどこまで利用できるのか。
税や厚生保険料などの公的納付に使えるのか。
そして円への換金や、最終的な回収・消却をどう設計するのか。


今回は、前回検討した「生活基礎消費」と決済方法から一歩進み、LSFDCを国内で循環させるための事業者制度を考えました。


「登録+認定」による事業者制度、業種・品種・単品をつなぐ商品管理、事業者間取引、公的納付、換金、利用期限、そして発行から回収・消却までの6つのフェーズ。


検討を進めるほど、新しい課題も現れます。


そこで次回は、これ以上論点を広げる前に「そもそもLSFDCを年間いくら給付するのか」という根本問題に進みます。


給付額を仮設定することで、初めて流通量、利用率、循環回数、公的納付、換金、回収・消却を数字で考えることができます。


構想から制度へ。そして制度設計から、いよいよ数量設計へ。

シンBI2050の具体化を、今回もChatGPTとの対話を通じて進めます。

⇒ シンBI2050の登録事業者制度とは|循環型デジタル通貨LSFDCの要件・運用管理・循環システムを設計する - シン・ベーシックインカム2050論

ベーシックインカムというと、毎月一定額の「現金」を無条件で給付する仕組みを思い浮かべる方が多いと思います。
 

しかし、私が構想している「シンBI2050」は、そこからかなり違った制度を考えています。


給付するのは、通常のお金ではなく、本人利用・利用期間・用途などに一定のルールを設けたLSF(Life Security Foundation=生活保障給付)専用デジタル通貨です。


では、そのデジタル通貨で「何を買える」のか。


食料や日用品はもちろん、家賃、水道光熱費、通信費、交通費、教育費、医療・介護費はどうするのか。旅行、文化、スポーツなどは「生活基礎消費」に含めるのか。

さらに、自動車や高額家電などについては、全額利用を認めるのか、一定額までにするのか。


今回は、こうした問題をChatGPTとやり取りしながら具体的に検討しました。


議論から浮かび上がったのは、「何を買えるか」だけではありません。


スマートフォン、物理媒体、オンライン、自動引き落としによる複線的な決済、LSFと通常円を組み合わせる併用決済、そして夫婦など複数人が一つの家賃等を負担する「共同決済」まで、実際に制度を動かすための課題が見えてきました。


そして、もう一つ重要な問題があります。


個人が使ったLSFデジタル通貨を「受け取る事業者」を、どのような仕組みで認定するのか。


事業者は受け取ったLSFを仕入れなどに再利用できるのか。税や厚生保険料等に充当できるのか。通常円への換金をどう扱い、最後にどう日銀へ回収するのか。


ここから初めて、「給付」だけではない「循環型デジタル通貨」としてのシンBI2050が見えてきます。


今回の記事は、その具体的な制度設計を始める第1歩です。


次回は、循環システムのカギとなる「事業者」の要件と運用管理方式へ進みます。

⇒ シンBI2050の生活基礎消費とは|循環型デジタル通貨で利用できる商品・サービスと決済方法を設計する - シン・ベーシックインカム2050論

ベーシックインカムについて考えるとき、「毎月いくら給付するのか」「その財源をどうするのか」という話になりがちです。
 

しかし、本当に制度として導入しようとすれば、それだけでは済みません。


給付する通貨をどう設計するのか。
その通貨はどこで使えるのか。
インフレが起きたらどうするのか。
事業者が受け取った通貨をどう扱うのか。
既存の社会保障制度とはどう接続するのか。


一つの問題を考えると、すぐに別の問題につながっていきます。


これまで「シンBI2050」では、BI実現を阻むさまざまな「壁」について考えてきました。


これからは、その議論をもう一段先へ進めます。


「なぜ実現しないのか」を考えるだけではなく、「実際に実現するなら、どんな制度が必要なのか」を具体的に考えていきます。


ただし、最初から完成した答えがあるわけではありません。


そこで、ChatGPTとも対話しながら、疑問を出し、反論を受け、別の案を考え、必要なら以前の案も修正する。


その途中経過も、できるだけ記事として公開していこうと思っています。


完成した制度案だけを示すのではなく、なぜその制度になったのか。
その思考と検討の過程も残しておきたいからです。


最初に取り組むのは、「循環デジタル通貨流通システム」と「LSF生活保障給付に伴うインフレ抑制対策」。


おそらく簡単には答えは出ません。


むしろ、答えが簡単に出ない問題だからこそ、考えている途中から公開する意味があるのではないか。


そんな少し実験的な取り組みを、始めます。

⇒ シンBI2050を構想から制度へ|【シンBI2050実現のための課題】シリーズ開始に当たって - シン・ベーシックインカム2050論

少子化が進んでいます。

人口も減っています。

高齢者の割合は高まり、一人で暮らす人も増えています。
 

こうしたニュースを見るたびに、「どうすれば子どもが増えるのか」「どうすれば人口減少を止められるのか」という議論が繰り返されます。
 

もちろん、結婚したい人が結婚できること、子どもを持ちたい人が安心して出産・子育てできることは大切です。
 

しかし、それだけで日本の人口問題を考えてよいのでしょうか。
 

人口構造は、すでに大きく変化しています。
 

少子化だけではありません。

高齢化、長寿化、人口減少、単身世帯の増加、未婚・離婚・死別による世帯構造の変化。

そして、働き方も人生のあり方も変わっています。

かつて想定されていたように、学校を卒業し、一つの会社で働き、結婚して子どもを育て、定年を迎えて年金生活に入る。

もちろん、そのような人生もあります。

しかし、それだけを社会の「標準」とすることは、もう難しくなっています。
 

就職した後に学び直す人もいます。

転職を繰り返す人もいます。

独立したり、起業したりする人もいます。

結婚しない人も、離婚する人もいます。

子育てや介護のために仕事を離れることもあります。

高齢になっても働く人もいます。
 

人の数だけ、異なる人生があります。
 

そこで必要になるのは、「どの生き方が正しいか」を社会が決めることではないでしょう。


どのような人生を選んでも、生活の基盤そのものを失わずに済む社会をつくることではないでしょうか。


私は、この問題をベーシックインカムの視点から考えています。


ただし、「ベーシックインカムを導入すれば少子化が解決する」と考えているわけではありません。

人口減少そのものをBIで止められるとも考えていません。


むしろ逆です。

人口が減少しても、高齢化が進んでも、単身世帯が増えても、それによって一人ひとりの生活が不安定にならない社会をどうつくるか。


そこに、これからの生活保障制度を考える意味があると思っています。


私が構想している「シンBI2050」では、LSF生活保障給付を、子どもから高齢者まで個人ごとに保障する生活基盤として位置付けています。


結婚しているから保障される。
家族がいるから支えられる。
会社に勤めているから生活できる。

そうした条件だけに、人生の基礎を委ねない仕組みです。


もちろん、生活には所得だけでは足りません。

病気になれば医療が必要です。

介護が必要になることもあります。

住まいも必要です。

働くための支援や、学び直すための仕組みも必要です。


そこでLSFを共通の生活保障基盤として、年金、医療・介護、就労、住宅などの制度を組み合わせていく。

それがシンBI2050という構想です。


人口構造問題を考えていく中で、私が改めて重要だと感じたのは、人口政策の目的そのものです。


「人口を増やすこと」だけを目的にするのではない。


「人口構造が変化しても成り立つ社会」をつくる。

少子化対策も、その大きな人口構造政策の一部として位置付ける。


そして、社会の人口構造が変化しても、一人ひとりが自分の人生を選び直すことのできる生活基盤をつくる。


今回、basicincome.jpの「BI実現の壁超克シリーズ」で、第6の壁として「人口構造問題」を取り上げました。


少子化、高齢化、人口減少、単身化、家族・世帯構造、そして人生100年時代までを一つにつないで考えた、かなり長い記事になりました。


しかし、2050年の日本社会を考える上では、避けて通ることのできないテーマだと思っています。


人口を増やす政策から、人口構造変化に対応できる社会へ。

これからの日本社会を考える、一つの視点として読んでいただければと思います。

⇒ BI実現の壁超克シリーズ‐Ⅵ:人口構造問題の壁とシンBI2050 - シン・ベーシックインカム2050論

少子化対策という言葉を聞くと、児童手当、保育所、育児休業、教育費支援などを思い浮かべることが多いと思います。


もちろん、どれも必要な政策です。


しかし、本当にそれだけで少子化という問題を捉えることができるのでしょうか。


結婚するかどうか。
子どもをもつかどうか。
出産後も仕事を続けられるか。
住居費や教育費を負担できるか。
そして、自分自身の将来の生活を維持できるか。


結婚や出産をめぐる選択の背景には、現在の子育て費用だけではなく、その後何十年にもわたる生活への見通しがあります。


私は2023年、「少子化対策の視点とベーシックインカム、ベーシック・ペンション」というシリーズで、この問題を8回にわたって考えました。


女性が結婚・出産によって失う可能性がある所得。

結婚や子育てを選択するときの経済的不安。

人口が減少することを前提とした経済社会。

児童手当の所得制限。

少子化対策の財源。

社会保障制度全体との関係。

現金給付と子育てサービス。

そして、子ども政策の成果を出生率だけで測ってよいのかという問題。


3年以上経った現在、これらを改めて読み直すと、一つのことが見えてきます。


少子化は、それだけで独立した問題ではないということです。

少子化、高齢化、人口減少、単身化、家族・世帯構成の変化。


その背後には、働き方、所得、社会保障、住宅、教育、地域社会など、私たちの生活を構成するさまざまな制度があります。


だからこそ、少子化対策も「どうすれば出生率が上がるか」だけで考えるのではなく、「人口構造が変化しても、人々が安心して生きられる社会をどうつくるか」という問いへ広げる必要があるのではないでしょうか。


2023年当時、私はその経済的な生活基盤として「ベーシック・ペンション」を構想していました。


その考えは現在、「シンBI2050」へと発展しています。


今回、当時の8記事を一つに統合するとともに、それぞれが現在考えている「人口構造問題」とどのようにつながるのか、8つの接点として整理しました。


少子化対策から人口構造問題へ。

そして、ベーシック・ペンションからシンBI2050へ。


次に考えたいのは、人口が減少し、人口構成そのものが大きく変化していく日本社会において、シンBI2050がどのような役割を果たすことができるのかという問題です。

⇒ 「少子化対策の視点とベーシックインカム、ベーシック・ペンション」シリーズ|旧サイト記事集約移管シリーズ23 - シン・ベーシックインカム2050論

少子化対策を繰り返しても、なぜ少子化は止まらないのか。
 

保育、育児休業、児童手当、教育費、婚活支援。
 

長い間、日本ではさまざまな少子化対策が行われてきました。


それでも出生数の減少は続いています。


では、何が足りなかったのでしょうか。


山田昌弘氏は『日本の少子化対策はなぜ失敗したのか?』の中で、日本の少子化を考えるうえで、未婚化や結婚・子育ての経済的側面を重視しています。


さらに、日本人に特徴的な「リスク回避」「世間体」、そして将来、親世代と同程度の生活水準を維持できなくなるのではないかという「中流転落不安」にも目を向けます。


ここで重要なのは、少子化を単に「子どもを産むか、産まないか」という問題として考えないことだと思います。


結婚した後の生活はどうなるのか。

子どもを育てる費用を負担できるのか。

教育費はどうするのか。

仕事を失ったらどうなるのか。

自分たちの老後まで生活を維持できるのか。


そうした長期的な不安が連続しているなら、結婚、出産、子育てという個々の段階だけを切り取って支援しても、根本的な安心にはつながりません。


私が2021年にこの本を題材として書いた一連の記事では、そこから「ベーシック・ペンション」という構想へ結びつけました。


子どもだけを支援するのではなく、大人も含め、一人ひとりの基礎的な生活を継続的に保障する。

結婚しているか。
子どもがいるか。
どのような働き方をしているか。


そうした条件とは別に、まず個人の生活基盤を保障するという考え方です。


現在は、この当時のベーシック・ペンション構想をそのまま提案しているわけではありません。


その後の検討を積み重ね、現在は「シンBI2050」として制度体系そのものを再構築する作業を進めています。


しかし、少子化を「経済的不安」と生活保障の問題から考えるという原点は、今も重要です。


今回、2021年に書いた4本の記事を一つにまとめ、旧サイト記事集約移管シリーズとして公開することにしました。


これから本格的に取り組む「人口構造問題の壁」。


その前に、なぜ少子化対策とベーシックインカムを結びつけて考えるようになったのか。

その原点を振り返る記事でもあります。


長年繰り返されてきた少子化論議を、もう一度「生活そのものをどう保障するか」というところから考え直してみたいと思います。

⇒ 山田昌弘氏著『日本の少子化対策はなぜ失敗したのか?』で考える絶対不可欠のBI論|旧サイト記事集約移管シリーズ22 - シン・ベーシックインカム2050論

格差は、「あること」そのものが問題なのでしょうか。
 

所得格差、教育格差、仕事格差、家族格差、ジェンダー格差、地域格差――。


少し考えるだけでも、私たちの社会には「○○格差」と呼ばれるものが数多くあります。


もちろん、格差のない社会を理想として思い描くことを、私は否定するつもりはありません。

できることなら、生まれた家庭や性別、病気や障害、親の所得、住んでいる地域などによって、その後の人生に大きな違いが生じない社会であってほしい。


しかし現実には、人それぞれの能力や経験、努力、選択、働き方まで含めれば、あらゆる「差」をなくすことは極めて困難です。


ならば、私たちは格差問題にどう向き合えばよいのでしょうか。


今回、basicincome.jpの【BI実現の壁超克シリーズ】第5弾として、「格差問題の壁とシンBI2050」をまとめました。


この記事で考えたかったのは、「すべての格差をなくせるか」ということだけではありません。


むしろ重要なのは、格差がその人の人生をどこまで左右しているのか、ということです。


たとえば、親の所得が低かったために、子どもが希望する教育を受けられない。

病気になったことで仕事と所得を同時に失い、その後の生活まで崩れていく。

離婚したくても、その後の生活が成り立たないために選択できない。

一度仕事を失ったために、学び直したり、別の仕事に挑戦したりする余裕までなくなる。


こうした社会では、最初に生じた一つの不利が、次の不利へとつながっていきます。


そこでシンBI2050では、まずLSF(Life Security Foundation)生活保障給付によって、すべての国民へ、個人ごとに、共通の生活保障基盤を設定することを考えています。


これは、全員の所得を同じにする制度ではありません。


働いて所得を得ることも、より高い所得を目指すことも、資産を持つことも、それぞれの生き方を選択することも当然です。

違いが残っていても、その下に「誰も失わない生活基盤」がある。

そのことによって、現在置かれている経済状態が、その後の人生まで決定づける力を小さくできないか、と考えるわけです。


ただし、LSFだけですべてを解決できるとは考えていません。

病気や介護には厚生健康保険。

失業、職業転換、学び直し、起業などには厚生就労保険。

老後にはLSFを基礎とした上での厚生積立年金保険。

住宅問題には厚生住宅保険。

障害、DV、虐待、家族問題など、一人ひとり異なる事情には改革社会福祉制度。


さらに、教育、雇用、税制、住宅、家族関係などについては、それぞれの社会制度や法制度そのものを改革していく必要があります。


今回の記事では、その具体的な事例として、シングルマザー・ひとり親家庭の問題についても考えました。

ここには、所得格差だけではなく、仕事、ジェンダー、家族、教育などの問題が複雑に重なっています。

そして親が置かれた状況は、子どもの生活や教育、その後の人生にも影響します。


一方で、LSFを給付すればそれで解決、という問題でもありません。

たとえば養育費は、本来、生活困窮者への「福祉」の問題ではなく、親が子どもに対して負う養育責任の問題です。

子どもの生活基盤を社会として保障することと、親としての責任を果たすことは、別の問題として制度化されなければなりません。


こうして考えていくと、シンBI2050が目指す社会像も少し明確になります。


格差のない社会を理想として思い描きながらも、現実に存在する格差が、一人ひとりの人生を決定づける力をできる限り小さくする。

不利な状況に陥ったとしても、そこから脱却できる。

仕事を変えることも、学び直すことも、家族のあり方を変えることも、新しい人生に挑戦することもできる。

そして、生まれた家庭や一時的な困難だけで、その後の人生まで決められてしまわない。

それが、「格差問題の壁」に対してシンBI2050が提示できる、一つの社会制度設計ではないかと考えています。


今回の記事では、シンBI2050の原点となったBP(ベーシック・ペンション)構想まで遡りながら、この問題を詳しく考察しました。

ご関心があれば、ぜひ本編もお読みいただければと思います。
⇒ BI実現の壁超克シリーズーⅤ:格差問題の壁とシンBI2050 - シン・ベーシックインカム2050論

「ジェンダー」と聞くと、多くの人は男女平等や性別役割分業を思い浮かべるかもしれません。
 

しかし、このテーマを長く考えていると、次第に別の疑問が浮かんできます。


本当に変えるべきなのは、意識でしょうか。


それとも制度でしょうか。


今回公開した記事は、2020年に『ベーシックインカムとジェンダー』という書籍を読みながら考えた3本の記事を、一つにまとめたものです。


当時は、女性の貧困、シングルマザー、DV、家族、家父長制、フェミニズムなど、多くのテーマを追いかけながら、「ベーシックインカムは何を変えられるのか」を模索していました。


そして5年後の今、改めて読み返してみると、一つのことがはっきり見えてきました。


ベーシックインカムだけでは十分ではない。


しかし、社会保障制度全体を再設計する出発点にはなり得る。


現在進めているシンBI2050では、その考え方をさらに発展させ、LSF生活保障給付を中心とした新しい社会保障体系として制度設計を進めています。


今回の記事は、その原点を記録したアーカイブでもあり、これから始まる【BI実現の壁超克シリーズ】「格差問題の壁」を理解するための導入編でもあります。


制度は、人を縛るためではなく、一人ひとりの生き方を支えるためにある。


そんな視点で読んでいただければ幸いです。

⇒ 『ベーシックインカムとジェンダー』から考える|旧サイト記事集約移管シリーズ21 - シン・ベーシックインカム2050論

今回公開した記事は、2021年に旧サイト「ベーシック・ペンション」で連載していた『新型格差社会』考察シリーズ5本を、一つの記事として整理・統合したものです。
 

当時、新型コロナは社会に急速な変化をもたらし、「格差社会」という言葉が改めて大きく注目されました。


家族格差、教育格差、仕事格差、地域格差、そして消費格差。


山田昌弘氏は、それらが社会を固定化し、「階層社会」へ向かう危険性を指摘しました。


私は当時、その分析には多くの示唆を受けながらも、一つ大きな違和感を抱いていました。


分析はある。

しかし、その先の制度設計がない。


社会が抱える問題を説明するだけでは、社会は変わりません。


必要なのは、「では何をつくるのか」という提案です。


その思いから、当時私はベーシック・ペンション構想を軸に議論を展開しました。


今回、5年ぶりに読み返してみると、その後シンBI2050で取り組んできた社会保障制度改革やLSF生活保障給付の発想へと、多くの考え方が自然につながっていることを改めて確認できました。


もちろん現在では制度設計も考え方もさらに進化しています。


だからこそ、本記事は「現在の完成形」ではなく、「シンBI2050へ至る思考の軌跡」として読んでいただければと思います。


そして、この統合記事は、これから始まる【BI実現の壁超克シリーズ】後半、「格差問題の壁」の導入編でもあります。


格差は本当に克服できるのか。


シンBI2050は、その問いにどう答えるのか。

 

そんな視点で読み進めていただければ幸いです。

⇒ 山田昌弘氏著『新型格差社会』から考える格差・階層社会化抑止のBI論|旧サイト記事集約移管シリーズ20 - シン・ベーシックインカム2050論