2050年の望ましい日本社会を想像しながらの日々

2050年の望ましい日本社会を想像しながらの日々

2050年の望ましい日本社会を想像し、その実現に繋がる何かを考え、感じ、思う日々をメモします。

介護と仕事の両立について語られるとき、
よく耳にする言葉があります。
 

「介護離職は、防げる」
 

制度を知っていれば、
早めに準備していれば、
周囲とよく相談していれば——

そうした前提のもとに、多くの解説や対策が語られてきました。
 

私自身も、介護離職を扱った書籍や解説書を読みました。

また、現実の介護の現場で起きていることを、
介護離職を心配する状況ではなかったのですが、家族介護当事者として経験もしてきました。
 

その中で、どうしても消えなかった問いがあります。
 

介護離職は、本当に「防げる問題」なのだろうか。
 

今回、LIFE STAGE NAVI に公開した記事では、
この問いに対して、あえて結論を出していません。
 

体験談をもとにした感情論でもなく、
制度や対策を並べたハウツー記事でもなく、
介護離職という問題が置かれている「構造」や「前提」を、
一度、立ち止まって整理することを目的に書きました。
 

制度は確かに変わってきています。

しかしそれでも、
限られた時間の中で判断を迫られ、
「選べるようで選べない」状況に追い込まれる現実は、
今も大きくは変わっていません。
 

この記事は、
「こうすれば防げます」という答えを示すものではありません。

むしろ、
その問い方自体に無理がないか、
その言葉が誰かを追い詰めていないか、
そんな点を考えるための“入り口”として書いています。
 

介護に直面している方、
これから向き合う可能性がある方、
そして、仕事と生活の両立について考えている方にとって、
一つの視点として読んでいただければ幸いです。

⇒ 

介護について語られるとき、
「始まり」や「途中」の話は多くありますが、
「終わり」について、丁寧に語られることはあまり多くありません。
 

今回、LIFE STAGE NAVI に公開した記事は、
100歳の義母を看取り、見送った家族としての体験を記録したものです。
 

それは、
介護の延長線上に自然と訪れた出来事であり、
同時に、人生の最終章と向き合う時間でもありました。
 

この記事で扱っているのは、
医療や制度の解説ではありません。

また、理想的な看取り方を示すものでもありません。
 

むしろ、
限られた時間の中で何が起き、
どんな判断をし、
どんな思いを抱えながら、その時を迎えたのか——

その過程を、できるだけ淡々と書き留めています。
 

「終活」という言葉は、
準備や計画として語られることが多いかもしれません。

しかし現実には、
終活は誰かが「実践」するものではなく、
いつの間にか、その場に立ち会うものでもあります。
 

この体験記が、
看取りや終活について考えるきっかけの一つとして、
静かに読まれることを願っています。
 

▶︎ 100歳義母 看取りと見送りの記録|終活を実践した家族の体験
100歳義母 看取りと見送りの記録|終活を実践した家族の体験(2022年7月〜10月) - Life Stage Navi

介護について考えるとき、
「施設に入れば落ち着く」「家族の負担は軽くなる」
そうしたイメージを持つ方も少なくないかもしれません。
 

しかし、実際の施設介護の現場は、
もう少し複雑で、簡単に整理できるものではありません。
 

今回、LIFE STAGE NAVI に公開した記事は、
98歳の義母がサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)から
特別養護老人ホーム(特養)へ移行した後の介護体験を記録したものです。
 

入所の背景には、
要介護1から要介護4への認定変更という状態の悪化がありました。

さらに、時期はコロナ禍。
家族が自由に面会できない環境の中で、
施設と家族の関係性も、これまでとは大きく異なるものになっていきます。
 

この記事では、
制度の説明や施設の比較といった情報整理ではなく、
その時々に何が起き、
どのような判断を迫られ、
家族として何を感じていたのかを、淡々と記しています。
 

施設介護は、
「任せれば終わり」でもなければ、
「家族が完全に離れられる」ものでもありません。
 

特養という選択肢の現実、
そしてコロナ禍がもたらした影響を、
一つの体験記として読んでいただければと思います。

⇒ 98歳義母「特養」介護体験記|コロナ禍における施設介護生活の記録 - Life Stage Navi

2015 年、私の義母が 93 歳で「サービス付き高齢者住宅(サ高住)」に入所しました。

そこからの介護生活を、家族として過ごした出来事や判断、施設との関わりなどを
丁寧に記録した体験記をまとめています。

介護という言葉だけでは語れない、日々の不安や工夫、対応のリアルが詰まっているので、
これから介護と向き合う方やご家族の参考にもなると思います。

介護制度、施設との連携、認知症不安への対応その他、具体的な体験をもとにまとめた
義母の介護記録です。

「サ高住での介護ってどんな感じ?」という疑問の一部の答えもあるかと思います。

こちらからお読み頂けます。
⇒ 93歳義母「サ高住」介護体験記|2015年の記録と気づき - Life Stage Navi

結婚しない人が増えた。
子どもを持たない選択も珍しくなくなった。
 

こうした変化は、
価値観の問題だと片付けられがちですが、
実際にはもっと現実的な理由があります。
 

働き方、所得、社会保障、介護。
家族を取り巻く条件そのものが変わってきたのです。
 

今回紹介する記事では、
結婚や家族を「あるべき姿」として語るのではなく、
前提が変わった社会で、どう生きるかという視点から整理しています。
 

家族を持つ人も、持たない人も。
単身でも、結婚していても。

大切なのは、
「どんな選択をするか」よりも、
どんな備えをしているかなのかもしれません。
 

変わる家族は、危機ではなく、
人生を設計し直す機会。
 

静かに、でも現実的に考えたい方に、
読んでいただきたい記事です。

⇒ 【最終考察】家族の変容と社会政策の現在地|結婚・家族を「前提」にしない時代の生き方とは - Life Stage Navi

家族がいるから、
困ったときは何とかなる。
 

そんな感覚を、
多くの人がどこかで持っていると思います。
 

でも今、
親の介護や単身化の進行によって、
その前提は少しずつ崩れ始めています。
 

今回書いた記事では、
家族がこれまで担ってきた
「保険機能」を整理した上で、
なぜそれが不安定になっているのかを
ライフステージの視点からまとめました。
 

特に40代・50代では、
仕事、子ども、親の介護が重なり、
家族だけで支えきれない場面が増えています。
 

一方で、
単身であること自体が問題なのではなく、
孤立や無準備がリスクになる
という点も重要です。
 

この記事では、
家族を否定することはしていません。

ただ、
「家族がいても備えは必要」
という現実を、静かに整理しています。
 

介護や老後のことを、
少し意識し始めた方に
読んでいただけたらと思います。
 

▼ 記事はこちら
⇒ 家族の「保険機能」は本当に崩壊したのか|親の介護と単身化が突きつける現実 - Life Stage Navi

少子化は、
若者の意識や価値観の問題だと語られることが多いテーマです。
 

でも、本当にそうでしょうか。
 

今回書いた記事では、
少子化を「産まない人が悪い」という話ではなく、
社会の便益と、家庭が引き受ける負担のズレという構造から整理しました。
 

子どもは、
将来の労働力であり、社会保障を支える存在です。
これは社会全体にとっての「便益」です。
 

一方で、
妊娠・出産・育児・教育費・キャリア中断といった負担は、
特定の個人や家庭に集中します。
 

この非対称な構造の中で、
「子どもを持たない」という選択が、
個人にとって合理的になってしまう。

それが、今の少子化の現実ではないでしょうか。
 

記事では、
20代・30代、40代、50代以降という
ライフステージ別に、
子どもを持つ判断がどう変わるのかも整理しています。
 

結論として、
産む・産まないに正解はありません。

重要なのは、
どんな選択をしても生きていける社会設計があるかどうか
 

少子化を個人の責任にしないために、
一度立ち止まって考えてみたい方に読んでいただけたらと思います。

元記事は、こちらです。
⇒ 少子化を巡る経済学の「ムリ筋」|子どもの便益は誰のものなのか、という問い - Life Stage Navi

共働きが当たり前になったのに、
なぜこんなに余裕がないのだろう。
 

仕事をしながら、家事や子育て、
ときには親のことまで気にかけなければならない。

そんな感覚を抱えている人は、少なくないと思います。
 

今回書いた記事では、
家族規模が縮小している背景を、
「価値観の変化」ではなく
性別役割分業が成り立たなくなった社会構造という視点から整理しました。
 

40代前後になると、
仕事・子ども・親という三つの要素が一気に重なり、
家族の役割分担が限界を迎えることも珍しくありません。
 

この記事では、
結婚や家族を否定することはしていません。

ただ、
「昔の前提のままでは続かない」
という現実を、静かに見つめています。
 

家族が小さくなったことは、
必ずしも失敗ではありません。

むしろ、無理な役割分担から降りて、
現実に合った形へ再設計している結果とも言えます。
 

もし今、
「このままでいいのだろうか」と感じているなら、
一度立ち止まって読んでみてください。
 

▼ 記事はこちら
家族規模縮小の本質とは何か|性別役割分業が崩れた社会での人生設計 - Life Stage Navi

結婚するのが普通。
子どもを持つのが自然。

少し前まで、そんな感覚が当たり前のようにありました。
 

でも今、
「結婚するかどうか」
「子どもを持つかどうか」
を、以前よりずっと慎重に考える人が増えています。
 

それは価値観が変わったから、というよりも、
働き方や収入、将来の見通しなど、
現実的な条件が大きく変わってきたからではないでしょうか。
 

最近公開した記事では、
家族のかたちが変わってきた背景を、
少子化や未婚率といった“社会問題”としてではなく、
人生のライフステージごとの選択と備えという視点から整理しています。
 

20代・30代で感じる将来への不安、
40代で仕事・子ども・親が重なってくる現実、
50代以降に見えてくる家族の限界と備えの必要性。
 

どの世代にとっても、
「家族はこうあるべき」と決めつけることが、
かえって生きづらさにつながっているように感じます。
 

この記事では、
結婚する・しない、
子どもを持つ・持たない、
そのどちらが正しいかを語ることはしていません。
 

代わりに、
どんな選択をするにしても、現実にどう向き合い、どう備えるか
を考えるための視点をまとめています。
 

「家族のことを、そろそろちゃんと考えたほうがいいのかも」
そんなふうに感じている方に、
静かに読んでいただけたらうれしいです。
 

▼ 記事はこちら
変わる家族のかたちと人生設計|家族規模の変化をライフステージから考える - Life Stage Navi

AI時代のキャリアについて、近ごろ考えさせられる出来事が増えています。

たとえば、米国では 「ブルーカラービリオネア」 という現象が起きています。
AIによってホワイトカラー業務が置き換わりつつある一方で、
配管工・電気技師・溶接、建設、メンテナンスなど、
“手に職を持つ仕事” がむしろ高収入化しているという報道です。

さらに衝撃的なのは、
会計士から配管工に転身して年収が3倍になったケース など、
従来の「キャリア神話」が大きく揺らぐ変化が起きていること。

これは一過性の話ではなく、
AI時代の職業構造そのものが再編されつつあるサイン に見えます。


■ 日本ではどうなるのか?

日本はこれから急速に人口が減り、
医療・介護・観光・建設・農林水産など、
“生活を支える仕事”の人材がさらに不足していきます。

しかし現実には、多くの若者が

  • とりあえず普通科

  • とりあえず大学

  • とりあえずホワイトカラー職

というルートを選びます。

これは決して悪いことではありませんが、
自分の適性と社会のニーズがすれ違ったまま進んでしまう
という問題が起きやすい構造ともいえます。

AI時代に「逆転キャリア」が続出している背景には、
こうした“行き過ぎた学歴一本槍モデル”の限界もあります。

では、日本がこのまま旧来の教育制度を続けたらどうなるのか?
どこかで破綻する気配が漂っています。


■ この記事で提案していること:

――「高校教育の再設計こそ、人材供給デザインの要になる」

今回公開した記事では、
AI・人口減少・産業構造の変化を踏まえつつ、
日本の高校教育をゼロベースで組み替える必要性を議論しました。

その中心となる提案は、

◎ 専門技能を軸にした「新しい高校」の創設

  • 観光

  • 伝統工芸・クラフト

  • 建築・インフラ保全

  • 農業・漁業・林業・畜産のスマート化

  • 介護・医療アシスタント
    …など地域産業と直結した教育を、高校段階から本格導入する。

◎ 各都道府県に「中核高」、複数の「サテライト高」を設置

全国ネットワーク化し、オンラインで相互に授業を受講できる仕組みも含む。

◎ 国内留学・企業インターンをセットに

若者が自分の関心に従って「学ぶ場所」を自由に選べるようにする。

◎ 専門課程卒業者は“高収入キャリア”に位置づける

最低年収500万円を国家目標として掲げ、
技能・技術職を「誇れる職能」として再価値化する。

こうした提案はただの教育論ではなく、

「日本の供給力をどう再建するか」
「AI時代にどんな働き方を選べる社会をつくるか」

という、より大きな問いに直結しています。
 

AIが急速に進化し、
これまで“安泰”だと思われてきた仕事が揺らぐ一方で、
人の手と身体でしかできない仕事、
地域に根ざした専門技能を持つ人たちの価値が高まっています。

これからの日本が必要とするのは、

「AIでは置き換えられない、人間の技能を磨く教育」
「何度でもキャリアを切り替えられる仕組み」
「学び直しと挑戦を支える社会的共通資本」

ではないでしょうか。

今回の記事では、
米国の変化、LIFE STAGE NAVIの連載で考えた個人の働き方、
そして ONOLOGUE2050 で議論してきた供給力デザインの視点――
この三つを結びつけながら、日本の“次の教育モデル”を考えました。

AI時代をどう生きるのか。
「逆転キャリア」は、決して例外的な成功物語ではなく、
これからの日本社会全体が向き合う課題であり、チャンスでもある
と強く感じています。


■ 記事はこちらから読めます
⇒ AI時代の逆転キャリアと高校教育改革|人材供給デザインとしての「技能価値社会」への転換点 - ONOLOGUE2050