本作品は、1953年の蒋介石による台湾の国民党政権下、共産党など反政府の政治思想犯の思想改造のための緑島「新生訓導處」に収容された、学生団体のポスターを描いたことでスパイ容疑をかけられた高校生(余佩真)、妹の拷問を守るために「スパイ」だと「自首」したダンサー(連俞涵)、外部団体に参加し禁止図書を閲覧した看護師(徐麗雯)ら女性収容者を中心に描く作品。曹欽榮原作、周美玲監督・脚本による2022年台湾映画。

 

日本も他国もそうですが、思想を取り締まるというのは本当に許せないことで、この映画でもかつて台湾で実際にあったことを映画として描いていきます。1987年の戒厳令解除まで約4500人が処刑されたとは。台湾人ではないのでよくはわかりませんが、映画には原住民族・本省人・外省人が登場し、言葉も北京語・台湾語・日本語・英語・原住民族の言語が飛び交うことに監督の意気込みが感じられます。台湾ではこのような白色テロという自国の負の歴史に向き合った映画を作るのに、日本は・・・。映画の最後には、自身の尊厳を守り、抵抗の証として、銃殺前の写真撮影で笑顔を見せる様が描かれ、実際の写真も流れますが、涙なしでは見ることのできない映画です。

 

映画公式サイト

https://ryumako15.com/