本作品は、エンツォ・フェラーリ(アダム・ドライバー)が妻ラウラ(ペネロペ・クルス)とフェラーリ社を設立してから10年目の1957年、破産寸前の経営危機の中、起死回生を懸けてイタリア全土1000マイルを縦断する公道レース「ミッレミリア」に挑むという話。マイケル・マン監督・製作による2023年アメリカ映画。

 

車が好きなので、ついつい見てしまった映画ですが、「ジャガーは売るために走るが、私は走るために売る」「勝利するものは見た目も美しい」とはなかなか言えない言葉です(後者については、車のデザインとしてよく思うところではありますが)。ただ、映画自体は、前年に一人息子を病気によって24歳の若さで亡くしたこと、カトリックの国として当時のイタリアでは離婚できない中ラウラとの夫婦生活は終わっていること、会社設立の2年前にリナ・ラルディと知り合い男の子(現在フェラーリ社の副会長であるピエロ)を産んでいることなど、当時の私生活も描き、強烈。監督の「エンツォやラウラ、リナがなぜ魅力的なのか。それは複雑な人間だからです、私たちと同様にね」(『朝日新聞』7月12日夕刊)という言葉に納得。

 

映画公式サイト

https://www.ferrari-movie.jp/