本作品は、1970年12月のボストン郊外にある寄宿制のバートン校で、クリスマス休暇によりほとんどの教職員・生徒がいなくなるのに、生徒からも教師からも嫌われている生真面目で融通の利かない教師のポール・ハナム(ポール・ジアマッティ)と、母親が再婚相手と新婚旅行に行くことになったので帰れなくなった生徒のアンガス・タリー(ドミニク・セッサ)、シングルマザーで一人息子をベトナム戦争で亡くしたばかりの料理長メアリー・ラム(ヴァイン・ジョイ・ランドルフ)の3人だけが学校に残るという話。アレクサンダー・ペイン監督による2023年アメリカ映画。第81回ゴールデングローブ賞ミュージカル・コメディ部門主演男優賞・助演女優賞受賞、第96回アカデミー賞助演女優賞受賞。

 

アレクサンダー・ペイン監督作品といえば、『サイドウェイ』が本当に素晴らしい作品でした。本作品と共通するのは、欠陥や弱さを抱え、みっともない人間を登場させることと、本作品の終盤がロードムービーとなります。世の中、美男美女、善人、強者ばかりではありませんから。映画では最初はぎこちなかった3人の関係が、少しずつよくなり、それぞれの秘密や別の面などが明らかになっていくという展開です。私なども、日体大では不人気ゼミだし、研究者や弁護士で私のことを嫌っている人が結構いるので(苦笑)、ハナムに親近感がわきます。

 

映画公式サイト

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