本作品は、元警官マックスが捕まってからの3日間を描く前作『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(2015年)に登場した大隊長フュリオサ(前作ではシャーリーズ・セロン。本作では成人後はアニャ・テイラー=ジョイ。どちらも素晴らしい)が、世界の崩壊から45年後の10歳の時に、ディメンタス(クリス・ヘムズワース)率いるバイク軍団にさらわれ、その後はイモータン・ジョーの支配下で口のきけない男になりすまして目の前で母親を殺したディメンタスへの復讐とイモータンの「性奴隷」を解放しようとするまでの15年間を描く話。ジョージ・ミラー監督・脚本・製作による2024年アメリカ映画。

 

「かつてこんなことがあったかもしれない」「今後このようなことが起こるかもしれない」という映画が大好きなのですが、本作品はまさに後者で、国家も法も崩壊した後、水と石油を独占する力の強い男が支配している社会を描きます。しかも、前作が強烈だったのは、恐怖政治を行うイモータン・ジョーだけでなく、彼をカルト信者のように崇拝するウォー・ボーイズ、「子生み女」として妊娠・出産した後に極限まで太らされて牛のように栄養源を供給するだけの「母乳係」などの人物の姿、イモータンなどの乗る改造車やロープにつるされた盲目のギタリストが爆音ロックを奏でる戦意高揚専用マシンの「ドラム・ワゴン」、盗賊集団ヤマアラシ族の「ヤマアラシ特攻車」などの異様な車両でした。今回もウォータンクや空中戦がすごいです。よくこのようなストーリーとキャラクター・車両を思いつくなあと感心しますし、これだけのスケールの大きい映画はとても日本映画では無理で、圧倒されます。また、バイクと車・トラックの走行シーンが多い映画ですが、このシリーズのエンジンの主役はV型8気筒エンジン。私も一度はバイクか車でV型エンジン車に乗ってみたかったなあと見終わった後に思いました(もうこのご時世だと、V型車は無理でしょう)。

 

映画公式サイト

https://wwws.warnerbros.co.jp/madmaxfuriosa/