本作品は、シングルマザーで、今はビニールハウスに住むムンジョン（キム・ソヒョン）が、近く少年院を出所する息子と新居で暮らすことを目標にしており、普段は目の見えない元大学教授のテガンと、重い認知症のその妻ファオクの訪問介護の仕事をしていたところ、突然風呂場で暴れ出したファオクと揉み合った際にファオクが転倒し死んでしまったので、息子との生活をあきらめたくないためにファオクの遺体をビニールハウスに隠し、自分の母親をファオクの代役にするという話。本作が長編デビューとなるイ・ソルヒ監督・脚本・編集による２０２２年韓国映画。第２７回釜山国際映画祭３冠、第５９回大鐘賞映画祭主演女優賞など６冠。
韓国では半地下にも住めないような低所得者がビニールハウスに住んでいるらしいのです。したがって、この映画は韓国における貧困問題を中心にしながら、介護、自傷行為、性暴力の問題も織り交ぜながらサスペンス映画として構成されています。そして、一般的なハリウッド映画と違って救いがない。ささやかな夢を追い求めていたムンジョンが、すさまじいこれでもかという負のスパイラルに陥ってしまいます。
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