天才と変体
みなさん、こんにちは。今日はかわいくない写真です。デンマークで数少ない知り合いRくんに誘われて、今日はDOX:Clubが主催のUrban Changeという題名の講演に行ってまいりました。いろいろな講演者が参加し、2日に分けて行われるセミナーであります。
場所はロイヤル・アガデミーの建物の中、といっても中庭にでっかいバルーンを膨らましたようなテント式のレクチャースペース。
朝のレクチャー3つだけ参加しました。まずは、上海、ブラジルと今注目の多い場所からのゲストレクチャラーズに引き続いて、一番おもしろく拍手も長かったのは、数年前にコロンビアの首都ボゴタのメイヤーを勤めたアンタナス・モクウス氏の講演でした。
よろよろとおじいちゃん声で、英語がヘタクソなので途中でこんがらかるかも、と言いながら話し始めました。確かに3分の1くらい、ヘビーアクセントプラス英語がちゃんとなっておらずわかりづらいレクチャーでしたが、数学者であり、哲学者でもあるモクウス氏の用意した内容はかなり興味の持てるものでした。
印象に残ったのは、法、モラル、社会認識の3つからどれに従うかという質問を投げ出したときのこと。ほとんどのデンマーク人は最後の二つ、モラル、社会認識に手を上げる人々が多く、国民性がすごく出ている、とモクウス氏。これ、アメリカでは、法と答える人が多くを占めると言っていました。ちなみにエイムは社会認識。デンマークや日本のようにみんな同じ人種で非多国籍な国は、人々の信頼感が高いのです。アメリカのようにヴァーサタイル過ぎると信頼も薄く、社会認識だけでは成り立たないのです。でも、理想はこの3つがうまくハーモナイズされるといい都市、国になるそーです。
このモクウス氏、後でウィキピディアで調べるとかなりインプレッシブな人でした。彼のキャンペーンのおかげで、
Water usage dropped 40%, (水の使用値40%減少)7000 community security groups were formed(7000ものセキュリティーグループが作られ) and the homicide rate fell 70%, (人殺しが70%減少)traffic fatalities dropped by over 50%,(事故死が50%以上減少) drinking water was provided to all homes, and sewerage was provided to 95% of homes.(下水の管理をちゃんとして水道水が飲めるようになった) When he asked people to pay a voluntary extra 10% in taxes, over 60,000 people did so. (6万人以上が10%余計に税金を払えと言ったら自発的に払ってくれた)。
が、improveされたそうです。これ、いくつものサプライズキャンペーンによって、信頼が高まったためであるそうです。例えば、公共の面前でシャワーを浴びて水の大切さを教えたり、罰金よりもバカにされるのが嫌いなコロンビア人の心理を考えて、パントマイム者20人を招いて交通違法者にメッセージを投げかけるなど。
かつては、大学の教授でつまらなそーにしてる生徒の前でおしりを出して見せ解雇されたらしいのですが、本当に偉大な人は、天才と変体の間を行き来している人なのかも、、、と思いました。