
暗雲立ちこめる上空をみつめていると
急転開の予兆が身を掠める
掠めると言うのもなんだが・・・
過去体験がトラウマのように
稲妻のような速さで身をよぎるのだ
そう、まだ十代だった頃
どしゃぶりの雨のつぶてに打たれながら
黄色い閃光の真っただ中にいた
ピカッ!どーん!
耳をつんざく轟音が
光とともに炸裂したのだった
山ん中の坂道を転げるように
駆けだしたものの
手には柄の長い鎌をもったまま
目の前が黄一色の異世界となって
夢中で坂道を下った
足は空を飛んで頭は真っ白
しばしの後で現実界に戻ってきた
雨が脳天を冷やしてくれたから
こうして今にある身を懐かしみ
不思議に思う
先ほどの上空の暗雲は
何処かへ消えて
白雲の間から薄日がさしている