昨日は好天に恵まれて畑仕事に熱中しました。種じゃが芋植え付けのための掘り起こしで、格好つけると「春耕」となります。二畝ほどの掘り起こしは適度の潤滑剤となって、周りの一群の雑草にも手が回りました。腰をかがめ、まじかに雑草を見れば、おおいぬのふぐり、ほとけのざ、ぶたくさと思しき繊毛のついた小さな葉っぱが広範囲に伸びている。おおいぬのふぐりは青い小さな花をつけて、見るからに可哀想な気もするけれど、畑にあっては徒花の域を出ない。畑にいると不思議に心が和む。土をいじることは自然の懐に居るような、時間を超えた親しみが湧いてくる。
今から二十数年前のこと。深大寺や神代植物公園の近くを通りかかったときの忘れがたい記憶がある。あの辺はまだ畑があって、道路に面した6,70センチ高さの土手の上に広がっていた。バスを待っていたと思われるお婆さんがひとり、土手に腰かけながら、しきりに土をいじっている。かなり高齢なその老女の足が、子供のように前後に揺れている。両手で土を包むように愛しむように。時を超えた親しみを、両手の中に包んでいたのだろう。