「福幸きりこ」の誓い。 | アフロ番長☆再び!!

アフロ番長☆再び!!

『アフロ番長』再び降臨!

表の顔は、愛媛県東予地区で活動するゴスペルクワイヤ『GOsponatiON!』の番長、もといディレクター。

普段はツッコミどころ満載のアンポンタンな日々を過ごしております。

blogの内容は、歌に、猫に、徒然・・・つぶやいてます。

三陸町レポートその2。

三陸町の防災庁舎をあとにし、バスに乗り込んだ。
このあたりはすべてが流されていて、更地となっている。
動き出してまもなく、わたしの目に飛び込んできたのが、
この白い看板の文字だった。


アフロ番長☆再び!!


もう無理だった。


庁舎を眺めていた時に必死で我慢していたものが、溢れ出した。
しばらくは、誰とも話すこともなく、
ただただ窓の外を眺めているしかなかった。

被災地では、泣かないと決めていたのに。

南三陸町の防災庁舎の周辺には、
様々な言葉を切り抜いた、白い看板がたくさんあった。
これが何なのか、調べてみた。

「福幸きりこ」
宮城県塩竈市以北から三陸地方南部では、
神社の神職が正月の神棚飾りのために、
縁起物を切り抜いた半紙「きりこ」を、
暮れに氏子に配布する風習があるそうです。
通常は半紙で作られていますが、
この「福幸きりこ」は風雨に強い素材で作られています。

今も、このあたりには何もありません。
高台移転の対象区域に入ってしまっているこの場所には、
新たに建物を建設することができないのです。

それでも、この土地を愛し、再興に掛ける熱い思いを、
このきりこに託し、訪れる人々の心に語りかけます。

「父のパン復活、次代へバトンをわたす」
震災後、お父様のパンを復活させるため、
不屈の精神で一からパン造りを覚えた雄新堂さん。
南三陸町さんさん商店街に新たにお店を構え、
頑張っていらっしゃるそうです。
次に訪れた時は、お父さまへの誓いが込められたパンを、
食べてみたい。

被災地に滞在中、いろいろな方とお話をしました。
「現状をあるがままに受け入れる」
「そして、諦めない」
その強さが、わたしの心に響きました。

そう、みんな、強いんだ。
出会った人たちは、強い。
別の記事で書こうと思っていることですが、
その強さ、明るさに、わたしは惹かれ、逆に勇気を貰い、
ここにいるんだと思う。

ふと目にしたきりこに、わたしは教えられた。
諦めないかぎり、人は、生きていける。

そんな強さを持った土地の人々を心から尊敬し、
ずっと応援していきたい。
そう思った。