アシックスのリーダー人事に見る | コンサルサルのぶろぐ-思考、読書、雑感などを語る

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アシックスの社長に、IBMやSAPなどを経験された富永氏が就任されましたが、老舗のスポーツウェアメーカーの人事に大胆だなと思っておりました。が、本日の日経新聞でなるほど、素晴らしい組織だなと、外野から見て思いました。

アシックス前任社長の廣田氏も三菱商事出身。ある意味商社のマネジメントオペレーションをアシックスに導入。そして、次は富永氏がグローバルとデジタルを強みとする組織に成長させていくのでしょう。


製品というコアコンピタンスがはっきりしている組織の進化アプローチとしては、正しいアプローチの一つかなと感じました。

下記、本日の日経新聞から後学のために引用します。

トラブルや不祥事、失敗を日光にさらす開示型の組織は立ち直りが早い。環境変化にも柔軟に対応でき、イノベーションも起こりやすい。その結果、「アジやサバだけでなく、組織の日持ち(持続性)も天日干しで大幅に高まる」と村井氏はいう。
アシックスの広田康人会長は2018年に三菱商事の代表取締役常務からアシックス社長に転じた。「商事にいてももう上はない。そんなときに付き合いのあった(前任社長の)尾山基さんに声をかけてもらった。もともと好きなブランドだったので、迷いはなかった」と振り返る。
 とはいえ就任後は試練の連続。コロナ禍で需要が落ち込み、さらに米ナイキの厚底シューズ旋風に圧倒され、21年の箱根駅伝ではアシックス着用者がゼロになる屈辱も。
 どん底からの巻き返しで力を入れたのが、ブランド力の源泉であるトップアスリートとの関係強化だ。今年1月の大阪国際女子で前田穂南選手が19年ぶりにマラソン女子の日本記録を更新したが、快走を支えたのがアシックスのシューズだった。
 なぜ新参のトップが未曽有の危機を克服できたのか。まずは初動の構えとして「新天地なので接地面積をなるべく広げようと心がけた」という。飲み会の類いや社長ブログを通じて多くの社員や取引先と接点を持った。
 そのうえで「組織の三菱」で体得した経営の規律をアシックスに移植した。本社と販売会社の意識のズレを埋めるための組織再編など反発覚悟で改革を実施。こうして組織の地力を引き上げながら、トップ直轄でナイキ対抗の開発チームを立ち上げた。
 今年の箱根駅伝でアシックスを選んだ選手は全体のほぼ4分の1の57人(文春オンライン)。先頭のナイキとはまだ差があるが、その背中は徐々に大きくなってきた――。実況中継風にいえば、そんなレース展開だろうか。