「信じる力」— リーダー、指導者として最も重要な力だと最近になって思います。そして、自分にはこの信じる胆力、忍耐力がまだまだ足りません。もっと意識して、修練が必要なのかなと。日常的にその訓練はさせてもらっていますが、まだまだ弱い命が出ているのを自覚しています。
おかやま山陽高校野球部 堤監督のインタビューがとてもためになりました。
――信じるために大切なことは何だとお考えですか。
まずは監督である私が選手を信じることです。うちのチームでは毎春、新入生を集めてやることがあります。それは私と一斉にするじゃんけんです。最初に私がグー・チョキ・パーの何を出すかを生徒に選ばせ、必ずそれを出します。私に対してあいこか負けの子は、グラウンドを10周走るルールとします。
毎回、あいこになる子が2、3人はいます。深読みして、私の言うことを信じられなかったわけです。でもその子のせいではないと思っています。これまで接してきた大人に、裏切られたりしたのでしょう。“僕は君たちを信じる。こんなじゃんけん一つも、僕は裏切らない正直なおっさんだよ”と伝えることで、子どもたちからの信頼を得るのです。
そこから始めて、とことん信じ合ってきたのが、今年の3年生です。飛び抜けてうまい選手はいませんが、とにかく素直。心を開いてくれていました。その信頼関係がベースにあったから躍進できたのだと思います。