乾きなのか潤いなのか?
本書を読んで率直に感じたことです。
本書のテーマは経営にはサイエンスだけでなくアートも必要であるということ。
そのアートを「美意識」と例えています。経営・企業活動を作品と捉えるのであれば「美」という感性も必要だと本書を感じて改めて思いました。
筆者は日本企業はあまりにもサイエンス的な手法に陥り様々課題が発生しているということ。
また日本をどのような国にしたいのか、世の中の問題をどう解決したいのかというビジョンがないことを掲げ故に、
− トップにアートを据え、左右の両翼にサイエンスとクラフトで固めて、パワーバランスを均衡させる
− エッセンスをすくい取り、後は切り捨てることができるデザイナーやクリエイターを相談相手に起用する
などの対処を掲げています。
興味深かったのはコンサルティングサービスの変遷についてです。上記の通りサイエンスを持ち込もうとしたコンサルティングサービスが今変革していることを掲げ、グレイへアコンサルティング→ファクトベースコンサルティングからVUCAの時代に対応するためのデザイン思考アプローチに変わっていることをあげていました。私の会社でもまさにこのデザイン思考が中心になりつつあります。
この美を高めるためには著者はVTS(Visual Thinking Strategy)を鍛えることが必要であり、文学や芸術に触れること、詩を読むことなどが掲げられています。
私もどこかで心の豊かさが足りていないなと本書を読んで内省しました。仕事に「美」を求めることを意識したいと思います。
