分析力 Part2:分析とは何か? | コンサルサルのぶろぐ-思考、読書、雑感などを語る

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この節では、「分析」というものはそんなに難しいことではない、ということを理解して頂きたい。

さて下の写真を見て頂きたい。あなたは何が見えるだろうか?


図2-1


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「家族が公園で遊んでいる」「芝生で大人が子供を囲っている」など、いろいろな見方ができるだろう。この写真を見て「家族」とか「公園」というキーワードが挙がった方はなぜそう思ったのか考えてもらいたい。もしかしたらそんなに深い理由はなくて、単純に「そう思った」という人も多いのではないか?


分析力を身につけるためには、客観的な事実と自分の主観的な意見を区別することが必要である。今回の写真を見て、推測で答えてしまった方は是非「事実」と「意見」の区別を意識してもらいたい。



経営コンサルタントで有名な大前研一氏は情報について下記のように述べている。


「情報が本当に自分の血となり肉となるためには、その情報を自分で加工しなければならない。



情報というのは、加工しないことには何の価値も生まないのだ。


手に入れた一次情報の意味を考え、時に疑い、ストックした情報を照らし合わせて、栄養のある情報だけを吸収して自分の中に取り込み、あとは捨てる・・・というプロセスが必要なのだ


この文言をヒントにして、分析について考えてみたい。


分析とは「情報に価値を与えること」という定義が一つ見えてくる。


しかし「情報に価値を与えること」というとちょっと概念的でわかりにくいだろう。私はこの「分析」という行為をわかりやすく次のような図で受講生に説明している。


図2-2


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この「Fact(事実)」から「Finding(気づき・意見)」を導出する行為が「分析」である??_。そして図に「So What?」「Why?」と書かれているとおり、Findingをするには「ロジカル」に考えることが必要なのである。


Factは何かを押さえて、Findingする。これこそ「分析」なのである。どこか難しい「分析」という行為がみなさんにとって「なーんだ、そんなことか」といった具合に身近になったのではないか。


次の図を見て欲しい。


図2-3


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あなたはどのようなFindingをしただろうか?


「傘を持っていこう!」と答えた方は少し勇み足。傘を持っていく前に一つFindingをしているはずである。そう「雨が降るだろう」と。


日常生活でもわれわれは常に目の前にある事実から何かを気づき・発見し、意思決定をしているのである。分析というのそんなに難しいものではない。


次の節では具体的な3つの分析手法について述べていこうと思う。