≪ 「以心伝心」をめざして『以信伝心』
(連載4:12月号) ≫ に寄せて(4)
2018年12月1日
毎度お騒がせいたします。
「Two Way Communicationによる情報交換」 が基本の『以信伝心』は、〝暦(歳時記)〟と〝今月の言葉〟の構成で成り立っています。『以信伝心』第1篇の結びに、師が大切にしている彫刻家平櫛田中の言葉 「今やらねば 何時できる わしがやらねば たれがやる 」を紹介し、この『以信伝心』を通して望む 「Two Way Communicationによる情報交換」の長い登山のスタートを切っています。
さて、12月の〝暦〟は、こう紹介されています。
12月は 師走(しわす)、別称極月(ごくげつ)です。師走の由来はいろいろで「師匠の僧が年の暮れ、お経をあげるため忙しく東西を馳せる月とする(師馳す)」「その年が果てる、の意味の(年果つ・としはつ)」「1年の最後に為し終えた(為果つ・しはつ)」等々。-以下、割愛-
9月「おわら風の盆;越中」、10月「出雲」、11月「晩秋:百人一首」、今月「師走」がテーマです。
11月「酉の市」に続いて流石下町育ちの師は、師走と言えば「羽子板市」を紹介しています。11月「百人一首」は平安ですが、浅草寺の「羽子板市」は室町時代からの風物詩。何時もながらさらっと博学が垣間見える流れる綴り口〝羽子板は「邪気を跳ね返す板」とも言われ・・〟が小気味よく心に沁みます。
一方、冬を代表する「雪」を取り上げ、道元の言葉を紹介しております。
<春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえて 冷(すず)しかりけり>
道元禅師は曹洞宗の開祖で、作家・立松和平の遺作「道元禅師」はいつか読破したいと思う小説で、道元禅師の人となりを通して、立松和平の生き様(心境)も垣間見れるかと、期待感大の作品です。
本お話が出てくると思い出すのは、私が学んだ大学は、正に「国境の長いトンネルを抜けると雪国だった。夜の底が白くなった。信号所に汽車が止まった。(川端康成)」の描くとおりの雪国(長岡市)で、冬は雪に閉ざされ、それを逆手に取った国語教師は、100冊の読書を課す授業をされ、〝タダ読むのではなく、これぞと認めた小説家の作品を何作か貪り読むとか、同系テーマ本を何作か続きて貪る〟ことを勧められたものです。その心は「小説の登場人物の人となりを通して作者の人となりや人生観を摘み取る読み方が良い。」との教えでした。私は「峠」で司馬遼太郎と出会い、「武田信玄」で新田次郎、「徳川家康」で山岡荘八と出会いました。
更に思い出せば、高校(高専)の物理先生も「物理を学びたければ、恋愛小説を読め。」「お前らはもっと感性を磨かなければ、科学者(技術者)にはなれない。」とよく言われました。その教えか「伊豆の踊子(川端康成)」は読みましたが、何故か「目に見えないもの(湯川秀樹)」なども。
高専と言えば、高専の研究室恩師から「天才(宮城音弥)」を紹介され、「夢」「性格」「精神分析入門」を読み、「生きるとは何か(島崎敏樹)」「感情の世界(島崎敏樹)」を読み耽ったものです。
そう言えば、師が生前最後に贈ってくださった本は〝「言いたいこと」が言葉にできる!大人の語彙力が面白いほど身につく本LEVEL2〟でした。未読破にてこの暮れに読破し、新年号でご紹介します。たぶん。
今月の言葉は「志(こころざし)ある者は、事、竟(つい)になる」(=ある目的・信念を実現しようと決意、目標を定めてそれを成し遂げようとすれば、事、つまるところ成る)と後漢時代の史書(後漢書)を紹介しています。そう有りたいと願い「継続は宝なり」と言い放った師の姿勢に通ずる。。。合掌。
では、またお会いしましょう。
橋本 郷春