昭和のレジェンド、兼高かおるさん。テレビ番組「世界の旅」で1960年代から90年にいたるまで30年以上も北極から南極まで、あらゆる場所を旅したセレブ。
今は想像できないけど、昭和40年代、1970年代までは海外旅行は庶民の夢だった。そんな時代に毎週、海外のレポートを茶の間に流していた人。
そんなに夢中になって、この番組にハマったわけではないけど、あの時代、海外旅=兼高かおるだった。
TBSが「民放の雄」なんていわれていた時代を象徴する番組だった。芥川隆行さんとのナレーションも、自分の世代には時代錯誤に感じるほど優雅だった。
「そうなんですのよ」「わたくし驚きましたの」などという言葉が交わされる上品な世界。
80年代だって初期ならばパリまで80万円ぐらいした時代。まさか自分がパリに行けるなんて思うことすらなかった。それは90年代には手軽な価格で行けるようになった。
憧れのパリ、ハワイの時代の方なのだ。それでも、ご自分の優雅さ、品位は失わない。それはそれで、美しく、素晴らしいことだと、この本を読んで感じた。
その兼高さんが番組を引退してから20年経ってから買いたエッセイ。
最近ハマっている下川裕治の旅本の世界とは真逆な優美な旅スタイル。兼高さんは、街一番のホテルにお泊まりなさいとおっしゃる。それが旅への余裕が生まれると書いている。
確かにそうなのだけど、兼高さんだけの世界だなと思う。それを目指すことは大切だけど、やはり、ちょっと遠い世界。
