第二次大戦の末期。ドイツの離島での終戦を描いた「白パンと独裁者」。主人公は男の子。ハンブルグから、この島へ母、叔母、弟、妹と疎開している。
島の人からは「本土の人」と思われている。しかし、母は「ウチは代々島の家系」堂々としていろと言う。さらに、この一家が白い目で見られるているのは、父がナチの幹部、母は熱烈なヒトラー信奉者だということ。
戦況は悪化。島の人々はドイツ敗戦を口にするが、この母親は完全に否定。それが、ますます島の人たちとの距離を生む。
そんな島で健気に生きる少年の姿が描かれる。
「白パンと独裁者」★★★★☆
ヒトラー絶対の母。それを批判的に見る島の人々。その間に挟まり行き場のない少年。しかし、彼は母を守る。
タイトルの「白パン」は母が黒くない「白パン」を食べたいと望み、少年が叶えてようと奔走することに由来。日本なら「麦飯」ではなく「白米」を所望するようなものか。
この島の風景がいい。本土から離れて、戦争中なのに少しのんびりとした雰囲気。東京なら大島や八丈島へ疎開したような感じなのだろうか。本土から離れているので、ヒトラーに対する忠誠意識も低い。
そんな中、少年の母親だけが、ナチスに忠臣を尽くしている。島の人との温度差。それでも、少年にとっては母はひとり。男の子として母を健気に守りたいと思っている。そのシンボル的な存在が「白パン」を作ること。
映画は戦争が終わった時点でエンド。終戦になっても母はドイツ軍への信奉を捨てることはない。それで、さらに周囲から白い眼で見られる。居ずらくなって島を出る一家。さて、戦後、彼はどんな人生を歩むのだろうか。
