池井戸潤が2005年に発表した「銀行仕置人」を読んだ。いつもながらの銀行小説。主人公はやり手の銀行マン。本店勤務のエリート。しかし、敵も多く、彼のことを良からず思っている常務の策略にハマり、500億の損出を出して、降格させられる。
銀行内の権力闘争。20年前の小説なので、今の現状とは違う部分もあるだろう。いまはエリートでも3年で転職する時代。この小説の主人公は、まだ銀行の慣習に縛られている。それは、終身、同じ銀行で働くという考えが前提になっているから。
主人公は降格させられ座敷牢のような場所に放り込まれる。しかし、人事部長から「特命」を命じられ、この常務一派の悪を暴き出して行くというストーリー。
池井戸潤のいつもの小説のように五反田支店、渋谷支店が登場する。それに大田区近辺の中小企業。池井戸潤の銀行時代、このあたりが勤務先だったのだろう。自分には馴染みのあるエリアなので、一層、面白味が増す。
もちろん、正義の主人公は地位を回復して、小説は終わる。ということは、その小説には続編があるのだろうか。
この小説の一部はテレビドラマ「花咲舞はだまってない」のエプソードとして映像化されているとか。1本の映画にしてもおかしくはない。相変わらず、うまいなとうなる。
