スタニラフ・ブーニン、彼ほどクラシック界でスーパーな存在になったスタープレイヤーはいない。
19歳でショパン国際ピアノコンクール優勝。そのニュースは何故か、特に、日本にセンセーションを起こした。
日本人が優勝でセンセーションならわかる。でも、その時、日本人は、このロシアの青年を熱狂で迎えた。(どれほどの熱狂だったかは、映画にも挿入されている)
そして、ブーニンも日本を愛した。つまり、相思相愛の関係。
しかし、そのスーパースターはその後、病魔に見舞われて、一時、引退状態に追い込まれる。映画は彼が復帰する姿を描く。
「ブーニン・天才ピアニストの沈黙と再生」★★★★☆
もともとテレビのドキュメンタリーなので、映画的な価値があるワケではない。
それでも映画館で観たのは映画館の音響で観たかったから。その音の質があるかないかで全然印象がかわるタイプのドキュメンタリー。
ブーニンが闘病していたのは、うっすら知っていた。この再生のドラマは、やはり感動的。
それにしてもブーニンの日本愛。最初に日本に恋したとか。そして、日本も彼を格別に愛した。
日本がこれほど熱気的に愛したクラシック音楽家は彼とカラヤンぐらい。
アシュケナージも、アイザック・スターンも、ヨーヨー・マも、スターだけど、ここまで「特別」ではなかった。
そんなブーニンは病魔に侵されて、左足を切断。10年以上引退状況だった。それを日本人妻と共に克服して、復活を果たす。
音楽家の長き人生の浮き沈み。しかし、音楽があるからこそ、復活できる。信ずるものを持つ者の強さ。
ブーニンにまつわる個人的な思い出。人気絶頂だった80年代後半。神田の明治大学前の交差点でブーニンを見かけた。
あまりに普通に歩いていたので、周囲には気づかれていなかった。当時、この近くにカザルスホールがあったので、そこに向かっていたのだろうか。
