ホラー映画、SF映画のレジェンド、ジョン・カーペンター。デビュー作「ダークスター」が公開中。格別なファンではないけど、彼が主に活躍した70年代、80年代、カーペンターは特別な存在感があった。
彼のファンにとっては、この74年の作品は、彼の出発点としては記念碑的な意味合いなのだろう。残念ながら、ファンではないので、この作品の存在を知らなかった。でも70年代からのアメリカ映画ファンとして、敬意を持って映画館へ行った。
「ダークスター」★★★★☆
映画自体はチープ。でも、若い作家の初々しいさが今も新鮮。
カーペンターが手掛けた作品のジャンルは得意ではなかったので、冒頭のクレジットでダン・オバノンが出てきてビックリ。
「エイリアン」「トータル・リコール」などで脚本家として活躍しただけでなく「バタリアン」なども監督した、このジャンルのレジェンド。お互いに成功してからの絡みは少なかったので、二人の名前が結びつかなかった。
話は宇宙船の中だけ。安上がりに上手く作っている。さすがカーペンター。オバノンは俳優としても登場して大活躍。オトボケな味もなかなかに妙味。
カーペンターって、売れっ子監督になっても、キッチュな趣味の人だった。大家にならない、なれない。その持ち味は、やはり、デビュー作から変わらない。その姿勢はご立派。80年代までは、こんな作家の存在が許されたし、愛された。このチープだけど、キッチュで可愛い作品に出会い、そんな想いを思い出した。

