時代劇のヒストリーを中心に映画評論を多数発表している春日太一。彼の出世作「あかんやつら」を読んだ。
彼の本はたくさん読んでいるのに、何故か、この代表作を読んでいなかった。(というか、読んだ気になっていた)
戦後、弱小映画会社、東横映画としてスタートした東映。その苦難の初期に活躍したのは牧野光男。日本映画の父と言われる牧野省三の次男。
戦後、登場した東横映画に日活から兄の映画監督、マキノ雅弘と共に移籍。弱小スタジオをマキノイズムで運営する。
時には親会社の東急へ乗り込んで、五島慶太に直談判。その芝居じみた懇願に、五島もつい、ほだされるエピソードも微笑ましい。それほど新興の映画会社の経営は苦しかった。
そのマキノを支えたのは、夢半ばで命が絶えた父の無念を晴らしたい一心。「日本映画の父」と呼ばれた父。兄も映画史に残る映画監督。
さらに芸能界では王国のようなマキノ一族。俳優では、沢村国太郎、沢村貞子、長門裕之、津川雅彦、加藤大介などなど。(遠い血縁なら、朝丘雪路、南田洋子、宮城千賀子、黒澤和子まで)芸能史を飾るセレブが勢揃いしている。
その牧野光雄のパワーで危機を乗り切った新興映画会社だった東映。それが50年代になると業界トップへ躍り出る。しかし、そのタイミングで牧野光雄は逝去してしまう。
映画みたいなドラマチックな人生!
