25年スクリーンで観た映画191「おばちゃんと僕の約束」タイの華僑社会の厳しい一面を見た | con-satoのブログ

con-satoのブログ

映画を中心にエンタメ、旅などを紹介しています。

 タイ映画「おばあちゃんと僕の約束」。主人公はおばあちゃんの孫。大学も中退した彼が日々ゲームで過ごしている。一族で墓参りに行った時に、お婆さんが転び、入院する。母親から「あんたはヒマなんだから、おばあちゃんの面倒を見なさい」と命じられ、おばあちゃんがひとり暮らしをする家へ行く。


「おばあちゃんと僕の約束」★★★★☆

 おばあちゃんを介護する話かと思ったら、なかなかにエグい遺産にまつわる話だった。主人公の家庭はタイでは中流。でも、タイの華僑社会では落ちこぼれ。一族の金は長男が全て相続するのが習わしだから。

 この一家では、おばあちゃんの出身は、そこそこの家庭。(大叔父はそれなりに資産家)しかし、女であるおばあちゃんは資産をもらうことはなかった。年老いた両親の面倒を見ても、何ももらっていない。ガンで寿命を知ったおばあちゃんは、兄にお金の工面をお願いするが「お前にやる金などない」と一蹴される。

 このように、タイの華僑社会の非情な一面が描かれる。主人公も、最初は世話をするのは遺産目的。そうそうに不動産情報をネットにあげて換金しようとする。

 母親の兄弟もお金にはシビア。成功した兄は長男で当然の権利と考える。借金まみれの弟はいつも金の無心ばかり。しかし、それを見かねたおばちゃんは家を弟に残す。それを知った主人公は「おばあちゃんはバカだ」と罵る。

 華僑なので、どこまでも金銭にシビアなのだ。最後は、そんな主人公が、おばあちゃんのためを考えるというのが救い。それにしても、華僑って、ここまで露骨に拝金主義なのだと驚く。

 タイ社会では3%の華僑がタイ経済の90%を握っているといわれている。この映画の主人公はタイ社会の中では恵まれている層なのだ。一見、貧しそうに見えるけど、タイの貧困層はこんなものではないはず。しかし、リアルに貧困層の困窮を描けば、暗い現実を見せるだけになる。お金の話を少しの笑いとハートウォーミングに語れるのは、すこしだけでも余裕のある人たちだから。