フランソワーズ・オゾンの新作「秋が来るとき」。主人公はおばあさん。映画は娘が孫を連れて帰って来るところから始まる。
しかし、娘と母親は何となく険悪。母親が近所で収集したキノコで娘が食中毒になり、娘は母親に罵詈雑言を浴びせパリへ戻ってしまう。
そんな娘は転落事故で死んでしまう。離婚寸前だった実父は中東に住んでいる。孫はフランスを離れるのは嫌だと、祖母との生活を選択する。
二人の田舎生活が始まるが、孫息子は学校で「お前のばあちゃんは娼婦」と知らされる。祖母に問うと「そうよ」とあっさり認める。「生きてゆくためには仕方なかったの」と悪びれる様子はない。そんな婆さんと孫息子の生活が続いていく。
「秋が来るとき」★★★★★
若い時は刺激的な作風だったオゾンも50代、大人の作家に。この映画がまさにそんな円熟を感じさせる作品。
でも、老婆は普通の女ではなくパリの娼婦だったというがオゾン色。そして、その老婆の職業仲間の婆さんも近所に住んでいる。さらに、その息子が前科者という設定も、オゾンはやはり只者ではなさを失っていない。
その問題の前科者の息子と、娘の死に関するミステリーが後半の物語。結局、真相は薮の中。でも、婆さんが娼婦でも、娘が殺されても、それでも夏が終わると秋が来る、そんな淡々とした時が流れる人生が描かれる。オゾンも大人になりました。

