小学館の編集者だった武居俊樹が書いた「赤塚不二夫のことを書いたのだ!」。めっぽう面白い評伝だった。赤塚不二夫の担当者として、身内のように接した人だから書ける内容の濃い、偽りのない文章。
赤塚不二夫には、たくさんの武勇伝がある。このエッセイは2011年に浅野忠信の主演で映画化されている。
その時は、武居の設定が女性に置き換えられて、新米女生編集者を堀北真希が演じた。
この映画でも描写されていたけど、当時の赤塚不二夫の傍若無人さ。今なら確実にパワハラ、セクハラ。でも、当時はそれを面白がり、バカをやっていることを楽しんだ。
今、ネット評を見ると、そんな赤塚不二夫の姿は酷評されている。しかし、赤塚の作った作品は愛されている。
昭和に生きた人間としては、赤塚不二夫の破天荒さは、近くにいたら、勘弁!かもだけど、当時の業界人なら、まあ、あり得たかもと容認してしまう。天才なんて、そばにいれば、迷惑な存在なのだ。
赤塚不二夫がギャグ漫画という、日本ではあまり馴染まないジャンルを開拓したのは、間違いない。その漫画そのものを生きた人なのだ。
この本の著者は、そんな赤塚不二夫の姿をノスタルジーを込めて、敬愛の気持ちで回顧している。
