菅田将暉が主演した黒沢清監督作品「CLOUD」。彼が演じたのは転売屋。目を付けたものを買いたたき、ネットで転売する。仕入れた価格よりも100倍も高い値段をつける。偽造品であるかどうかも気にしない。売れればいいのだ。そんな世界に溺れ、仕返しをされる男の話。
「CLOUD」★★★☆☆
あと味のいい話ではないし、これが今年の米アカデミー賞に送る、日本映画代表作と思うとびっくりする。いる意味、いつもの黒沢清映画。この映画は、それでもわかりやすい映画。
ただしストーリーラインは雑。この雑さにとらわれないのは黒沢清の魅力なんだとけど、頭ではわかっても共感はしにくい。それでも今作は菅田将暉が主演したので、菅田で見せる。役の捉え方がいつもながら正確で、それをきちんとアウトプットできる。
それに今回は奥平大兼、古川琴音、窪田正孝など魅力的な若手キャストが揃っている。奥平の役など意味がよくわかないけど。それでも、佇まいに特別感がある。クライマックスのガンシーン。倉庫というのが、日本映画の限界だと感じた。これが東京の街中なら、もっと画面的に面白くなっただろうに。
それでも、この映画をアカデミー賞に送って、国際映画賞にノミネートされるだろうか?これなら「侍タイムスリッパー」送った方がノミネートの可能性があると思うけど。