BSプレミアムシアターで見た1964年キューブリックの傑作「博士の異常な愛情」今に至る戦争の恐怖 | con-satoのブログ

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 先日BSプレミアムシアターで1964年スタンリー・キューブリックの「博士の異常な愛情」を見た。この映画、正式なタイトルは「博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのをやめて水爆を愛するようになったのか」。英語では「Dr Strengelove or How I Learmed to Stop Worrying and Love The Bomb」。一説には映画史上一番長いタイトルの映画。


 映画は、誤作動により水爆を積んだ戦闘機がロシアの基地を襲うドタバタを描く。

 ある意味「2001年」のコンピュータ「HAL」の反乱と同じ文脈の映画。完全にコントロールされているはずの世界が思わない方向へ動く。

 「ピンクパンサー」で有名なコメディ俳優ピーター・セラーズがシリアス演技で主演。しかも3役。アカデミー賞レベルの快演。

 テーマは深刻で重いのに作風は軽やか。キューブリック、晩年は稀代の巨匠扱いで、どんどん作風が重くなっていったけど、この60年代が作家としては頂点だったのではないか。

 この映画、ランニングタイムは93分。晩年なら、こってりとして150分ぐらいの映画に仕立てていたのでは。

 モノクロの映像も恐怖を倍加する。それでいて、画面に映されるのは、ブラックなコメディ。この絶妙なバランス。映画史に残るブラックコメディ。