映画「チャイコフスキーの妻」の主人公はタイトル通り、大作曲家の妻。タイトルだけ見ると、妻の献身を描く夫婦愛映画を期待させる。しかし、映画は同性愛の男と強引に結婚した女の悲劇。
「チャコスフスキーの妻」★☆☆☆☆
別に美しい夫婦愛の物語だけを期待したわけではないけど。この妻の行動は異常で、まるでホラーな展開。
最初から、チャコフスキーが騙したのなら悲劇なのかもしれないけど(少なくとも映画の中では)「僕は女を愛せない」と断りをいれている。
それでも自ら飛び込んだのだから、言ってみれば(好きなことばではないけど)「自己責任」。さらに(映画の中では)弁護士と出来ていて、彼の子供を何人も産んで、捨てている。こんな道徳感のない女の姿が延々と描かれるのは苦痛以外の何ものでもない。
予告編でチャコフスキーが同性愛であることは明らかにされていたので、それは承知の上で観た。だだ、妻が主人公でも、有名なのは夫。その偉大な作家の軌跡も描いて欲しかった。
あの壮大で華麗なチャコフスキーの音楽があれば、この裏話的伝記映画も意味が違ってくると思う。それを期待したのに、狂ったような女性の話を延々見せられたのはつらかった。
それにしても、もし、この映画の通りならば、彼女は一体何をチャコフスキーに求めたのだろうか?彼の名声を利用したい?それだけなら、黙って利用すればいい。
それに彼を同性愛と知った上で愛していたのなら、コール・ポーターの妻のように包み込むような愛を注げばいいのだ。