24年映画は映画館で122「エドガルド・モルターラ」19世紀の誘拐事件の実話 | con-satoのブログ

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 1858年に起こったキリスト教会による、ユダヤ人少年の誘拐事件。その主人公を描いた「エドガルド・モルターラ/ある少年の数奇な運命」。

 舞台はイタリアのボローニャ。裕福なユダヤ人家庭。その家に突然、兵士が乗り込んで、幼い息子を連れ去る。ローマ教皇の命令なのだという。キリスト教法では7才になったら、キリスト教徒は異教徒の元では育てられない。

 両親は「われわれはユダヤ教」と主張するが、キリスト教皇側は「エドガルドは幼い時に、召使の女によって洗礼されているからキリスト教徒だ」主張。裁判でも争われが、両親の主張は認められない。さて、エルガルドの運命は?という話。


「エドガルド・モルターラ/ある少年の数奇な運命」★★★★☆

 西欧では、キリスト教とユダヤ教が対決した有名な誘拐事件なのだそう。キリスト教がまだ巨大な権力を持っていた時代の話。キリスト教の、ということだけでなく、権力の怖さを感じる。

 ただし、彼らの教義を理解していないので、この宗教間の争いの根深さは理解出来なかった。

 映画の予告編では「スピルバーグが映画化したかった物語」を売り文句にしていた。アメリカ人でユダヤ人のスピルバーグなら、どのように映像化したのだろうかと想像した。

 非キリスト教の無宗教の日本人にも、わかりやすい教義の狂気をエンタメとして提供してくれただろうか。

 この映画は少し真面目過ぎ。事実に忠実なのかも知れないけど、あれでは、父親が愚かに見える。もう少し、少年の心理から描けば、より観客が共感、理解しやすい映画になった。

 ただし、これは有名な事件を知らない非キリスト、非ユダヤの観客の感想。それぞれの教徒たちには、どう見えるのだろうか。宗教は、信じない者には理解不可能な深い世界。