アニメ映画「リンダはチキンが食べたい」、外国のアニメ作品だとは知っていたが、フランス映画だとは知らなくて観た。
セリフはフランス語、字幕の上映。子供のしゃべるフランス語の響きが心地よい。
主人公はパリ郊外(多分)の団地に住むリンダ。パパが亡くなりママはシングルマザーとしてリンダを育てている。ママは忙しくしているので、食事はいつも冷凍食品。
リンダはパパが作ってくれたチキン料理が懐かしい。ママにおねだりして、そのローマ風パプリカ・チキンを作ってもらう約束をするが、ママは料理が苦手。さらにスーパーも近所の肉屋もストライキの影響で閉まってチキンは買えない。
リンダはそれでも、チキン料理が食べた今とママを困らせる。そこから起こる騒動が描かれる。
「リンダはチキンが食べたい」★★★★☆
フランスのアニメらしく画面がシュール。マチスの絵のような色彩の世界。
そんなシュールな画面で展開されるのは随分とリアルなお話。この落差が面白い。
舞台になるのは都会の郊外の団地。日本では、こういう環境はあまりない。でも、フランスなら都心からほど近い団地=低所得者層を意味する。
料理がテーマの映画で、最初に出て来るのが冷凍食品ということで、フランスの観客は、階級のお話だと理解する。これは階級社会的格差が残るフランス社会らしさ。(パリのお金持ちなら料理しなくても、エディアールのようなデリカテッセンで調達)
そんなロークラスの家庭なのだけど、亡くなったパパはなかなかに文化度が高かった。リンダはそんなパパに会いたい。そんな切ない気持ちのあらわれがチキン。
セザール賞受賞作品。それも納得の質の高いアニメ。ちょっと往年の名作「地下鉄のザジ」を思い起こした。あれはストのパリに来た女の子が起こす騒動。
音楽がオシャレなのもフレンチテイスト。

