24年映画は映画館で116「異人たち」山田太一に原作をイギリスで大胆の翻案 | con-satoのブログ

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 脚本家の大御所、山田太一が小説家として発表した「異人たちとの夏」。1988年に大林宣彦監督で映画化された作品。

 その原作を現在のロンドンに舞台を置き換えてイギリスで再映画化した「異人たち」。両親を失った主人公は、タイムスリップして昔の両親の元に行くと設定は同じ。ただし、主人公はゲイという設定になったいる。

「異人たち」★★★★☆

 山田太一の原作が生きているのは、タイムスリップして亡くなった両親に会うというシュチュエーションだけ。

 舞台がロンドンになっただけでなく、かなりの脚色。山田太一は完成作品を生前に観たと伝えられるが、どんな感想を持ったのだろうか。

 主人公がゲイという設定なので、物語はセンシティブに語られる。両親との会話はノスタルジーより、ゲイをどう受け止めるかが主流になる。

 山田太一の「異人たちとの夏」のリメイクだと思って観に来た観客には驚きの展開なのでは。

 ロンドンのゲイにしたことで、現代性が増したのは確か。今どきのLGBTQ映画になっている。

 ラストに繋がるけど、あの高層アパートに住人がいないというのは不自然。全体に少し無理を押し込んだような仕上がり。