24年映画は映画館で95「華の乱」吉永小百合、松田優作の唯一の共演作。 | con-satoのブログ

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 吉永小百合が与謝野晶子を演じた「華の乱」。共演は松田優作、緒形拳、松坂慶子、風間杜夫などのオールスターキャストの文芸劇。

 松田優作が演じるのは有島武郎。松坂慶子が松井須磨子、風間杜夫は大杉栄。そして緒形拳が与謝野晶子の夫、寛。監督は深作欣二の東映の文芸大作。

 大正時代の自由でモダンな文芸界の世界が描かれている。吉永小百合の与謝野晶子。キャリアの中では奔放な人物を演じている。しかし、適役ではない。元来、情熱的である人物がクールな美人に見えるのだ。

 その点、あまりガラとは思えない松田優作は裕福な文芸人を見せてくれる。この映画を観ると松田優作という俳優の演技の幅の広さを感じる。

 松坂慶子も吉永小百合とは、この作品が唯一の共演作なのではないか。一時期はライバルと称された二人。この映画では、ゲスト的な扱いながら伝説の松井須磨子を情熱的に演じている。

 うまいなと思うのは緒形拳。ちゃらんぽらんでわがままなのに男の可愛さのある人物を見事に体現。監督の思いは、この与謝野寛にあるのだろうなと思う。