80年代東京はミニシアターのブームだった。新宿のシネマスクエア、六本木のシネヴェヴァン、渋谷のシネセゾン、ユーロスペースなどなど。
大手の東宝も日比谷にシャンテをオープンさせフランス映画社の優れた作品を上映していた。ヴェンダース、ジャームッシュなどなどの世界中の映画作家のインディペンデント作品が提供された。そんな中、大ヒットしたのが1987年「グッド・モーニング、バビロン」。ヒットしたばかりではなく、その年のキネマ旬報外国映画部門1位を獲得するなど、日本で高い評価を受けた。
ハリウッドを舞台に美術を担当するイタリア人兄弟を主人公にした映画。映画そのものをテーマにしているので、映画ファンには忘れられない名画のひとつ。
ヨーロッパには兄弟監督が多く、イタリアではこのタヴィアーニ、そしてベルギーにはタルデンテ兄弟。アメリカにはコーエン兄弟などもいる。
そのタヴィアーニ兄弟の弟パオロが亡くなった。お兄さんのヴィットリオは2018年に88歳で亡くなっている。残されたパオロは昨年は遺作になった「遺灰は語る」が公開されたばかり。90代の現役として、新作も期待していたので訃報は残念。それでも93歳は大往生。
「グッド・モーニング、バビロン」もう一度、映画館で見たい。どこかでタヴィアーニ映画祭を企画して欲しい。