ゴジラを3度観して感じた娯楽映画の楽しさ。エンタメの基本。 | con-satoのブログ

con-satoのブログ

映画を中心にエンタメ、旅などを紹介しています。

 「ゴジラ-1.0」モノクロ版で3度目を観た。同じ映画を映画館で3度以上観たのは中学時代の「タワーリング・インフェルノ」、新海誠の「言の葉の庭」以来。

 「タワーリング」の場合、当時はビデオすらなかった時代なので、リピートしたければ、映画館に行くしかなかった。

 この映画、アカデミー賞を獲るようなタイプの「名作」ではないが、娯楽映画としては完璧な出来だったと思う。

 パニック映画の頂点。オールスター映画の華やかさ。ポール・ニューマンとスティーブ・マックィーンの共演は、今ならディカ&ブラピ&トム・クルーズが共演するようなインパクト。

 個人的に好きだったのはロバート・ワグナーのパート。広報部長役で、秘書とは秘めた関係。行為の途中で火事が広がり、人知れず死んでしまう。

 大作パニック映画の中の、ちょっとした人間ドラマ。色っぽい話にドキドキした。


 「言の葉」は60分足らずの中編だったので、リピートしやすい映画だった。リピートした時は新宿御苑に一番近いバルト9を、わざわざチョイス。3度目に観た時は、そのまま御苑に直行。映画の余韻に浸った。

 さて、ゴジラ。今は映画のフォーマットが多様化しているので、それぞれ違うフォーマットで観た。ドルビーアトモス→ドルビーシアター→モノクロ版。

 それぞれに良かった。そして、娯楽映画としての作品の完成度を堪能した。映画界で働く、知人のFBを見ると、概ね「楽しめるけど、人間描写が浅い」という意見が多い。映画界で働いていると、素直には反応できないのかな?と思う。

 「タワーリング」の時は、映画雑誌「ロードショウ」に当時のワーナーの宣伝部長が出ていて「好きな監督は?」の問いに「ジョン・ギラーミン」と答えていた。これは「タワー」の監督だからではなく「職人監督としての仕事の質の高さ」と言っていた。この答えを新鮮な気持ちで受け止めた。映画関係者ならゴダールでなくても、サム・ペキンバーなどの名前が出るのでないかと思ったので、意外だった。

 さらに、意外だったのは雑誌の仕事をするようになって日比谷シャンテの支配人に会った時。好きな映画の話になって、当然、フランス映画社系の作品が出るのかな?と思っていたら「わたしをスキーに連れて行って」を絶賛。あの娯楽映画をと、ちょっとびっくり。

 でも映画の本質は見せ物。それがキチンと成立していることが大切なのだ。それがわかる人にはわかる。素直な見方が大切なのだ。

 長い映画体験で、どこかに忘れていた、素朴さをゴジラが思い出させてくれた。