名作ミュージカル「マイ・フェア・レディ」。今までいちばん数多く接したミュージカル作品。それは大地真央が主演していたから。彼女のイライザ、世界最高のイライザだと思って、何度も繰り返し観ている。
大地真央のイライザもいいけど、観るたびに感心するのはミュージカルとしての作品の完成度。50年代、60年代のミュージカルは、楽曲の質が高い。
「サウンド・オブ・ミュージック」「王様と私」「南太平洋」など、どれも素敵なスタンダードになった名曲が並ぶ名作。
その頂点がこの作品だなと思う。ロンドンの下町の下品な娘が、言語学者の手により、完璧なクイーンズ・イングリッシュを話すレディになる。
舞台ではジュリー・アンドリュースのイライザで大成功。当時、最高の原作料を払って映画化は、絶対の成功が必須だった。
監督は巨匠ジョージ・キューカー。言語学者は舞台に引き続きレックス・ハリソンが演じた。しかし、ヒロインのイライザはアンドリュースではなく、オードリー・ヘップバーンがキャステング。製作を指揮したワーナー映画のドン、ジャック・ワーナーが「アンドリュースじゃ地味」とオードリーを選んだ。
でもオードリーでは歌えない。歌は吹き替えになった。今では考えられないのだけど、この時代のミュージカルの映画化作品では「吹き替え」という手段は当たり前だったのだ。
吹き替えたのはマーニー・ニクソン。「王様と私」のデボラ・カー「ウエストサイド物語」のナタリー・ウッドの吹き替えも彼女。
なので、映画は何度も観ることがあってもサントラ盤を買う気にはなれなかった。(アンドリュースが出演しているロンドン・キャスト盤は持っている)しかし、こうしてサントラ盤を聞くと莫大な費用をかけただけに、音楽も完璧。レックス・ハリソンの歌もこちらの方が断然いい。一番好きなのは、このジャケ写。当時のハリッウッド
の流行で流麗なイラスト。作者はボブ・ピーク。その中でもこの作品は彼の代表作。
