映画「PERFECT DAYS」で見事な歌を披露した石川さゆり。どうして紅白は毎度「津軽」なの? | con-satoのブログ

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 ドイツ人監督ヴィム・ヴェンダースが東京を舞台にした映画「PERFECT DAYS。カンヌで男優賞を受賞した役所広司はトイレの清掃員。読書と音楽を楽しみにしている孤独な男。彼の唯一と言っていい、世俗的な楽しみは浅草に飲みに行くこと。浅草駅地下の商店街にある飲み屋で1杯飲む。他には近所のスナック。ここのママとして登場するのが石川さゆり。

 映画の冒頭、役所が車のカセットにかけるのがアニマルズの名曲「朝日のあたる家」。石川さゆりの店の客として登場する、あがた森魚のギター演奏に乗せて、この曲の日本語バージョンを歌う。

 これが見事。この日本語バーション、ちあきなおみが迫力満点で歌っている。石川さゆりは情念たっぷりのちあきバージョンとは違う、普通の女が抱える情けといった風情の歌い方。やはり、石川さゆりはうまい。このサラリがうまいのだ。


 映画では、役所広司の中年男は、彼女に惹かれているが態度には出せないでいる。そんなある日、三浦友和演じる男が彼女と抱擁するのを目撃してしまう。拗ねる男。しかし、この二人は元夫婦だったことがわかる。実は三浦友和がガンになったことを知らせに来たのだという。

 三浦友和の夫人は山口百恵。その百恵の初主演映画「伊豆の踊子」にも石川さゆりは出演している。もちろん友和も映画初共演の記念すべき映画。この抱擁のシーンを見て、一瞬、昭和の芸能シーンに戻った。

 その石川さゆりは今年も紅白で「津軽海峡冬景色」を歌うそうだ。今年こそ「朝日のあたる家」でもカッコよく歌ってくれたら、紅白を見ようかなと思うのだけど、今の紅白にはそんな冒険心はないらしい。MISHAがまたまた大トリなんて聞くだけで、見る価値なしと思っているけど。