ユーミンの評伝「すべてのことはメッセージ」を読んで①昭和のお金持ち | con-satoのブログ

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 松任谷由実の評伝「すべてのことはメッセージ・小説ユーミン」を読んだ。ちょっと前に評判になっていた伝記。帯にはユーミンの言葉があるので、本人公認の評伝。

 やはり、ユーミンという人は只者じゃないなと実感した。彼女の実家は八王子の呉服屋さんというのは有名。昔の呉服屋さんって、それなりに立派なお宅というイメージはあるけど、所詮は八王子でしょ、という思いもあった。

 音楽的には天才だけど、まあ、銀座の老舗の娘ではないと。しかし、この本を読むと、そんな偏見が覆される。

 ユーミンの実家の呉服屋さん。それほど歴史があるわけではないけど、商売としては、かなり大規模な呉服屋さん。なんと従業員は80余名もいる大世帯。

 その荒井呉服店の次女に生まれたユーミン。次女ゆえに自由な生活ができた。母親は事業に忙しく、彼女の養育はお手伝いさん任せ。

 その母親は父親よりビジネスセンスがあり、呉服だけでなく、洋裁も手がける。そのために戦後間もない頃なのに「ハーパース・バザー」や「ヴォーグ」が置いてあるような家だった。

 しかも、この母親、エンタメが大好き。幼いユーミンを連れ、お抱えの運転手の車で八王子から日比谷へ銀座へ浅草へと繰り出す。宝塚、SKDから歌舞伎まで、幼いユーミンは、母親からエンタメのエッセンスを教え込まれる。

 お金持ちでエンタメ好き。そんな環境がユーミンを形作ったのだなとわかった。

 やはり、環境が大切なのだ。親が子に与えられるのは環境。その影響のありようがわかる。