23年映画館愛がとまらない284「コカイン・ベア」これが実話って、笑える。 | con-satoのブログ

con-satoのブログ

映画を中心にエンタメ、旅などを紹介しています。

 密輸業者が森に捨てたコカインをクマが食べてしまったことにより凶暴化。そこで起こる騒動を描いた「コカイン・ベア」。実はこの話。1985年に実際にジョージア州で起こった事実を元にしている、嘘のような本当の話。


「コカイン・ベア」★★★★☆

 まさに人を食った映画。これが本当の話というのがアメリカらしさ。コカインを実際に摂取したクマは、致死量に近いほど、大量のコカインを食べてしまったのだとか。クマさんにとっても幻覚を感じるのは、その種のエクスタシーなのか。

 そうでなくても、人間にとって遭遇するだけで危険なクマさん。それがコカインでハイになっているなんて。

 こんな面白い話を30年以上も寝かされていたのは、何故だろう。映画としてはB級なんだけど、話がとんでもないし、それを思い切り茶化した演出なので、思い切り笑える。

 クマに襲われた巨額の麻薬犯罪ビシネス。実は笑えない話なんだけど、でも、人間って滑稽だなと思わせるのが、この映画の良いところ。真面目におバカなことをするのを客観視するほど笑えることはない。

 麻薬マフィアのドジぶりも笑えるけど、事件に関わる登場人物の誰もが、少しヘンで、それが大きな笑いに繋がる、監督エリザベス・バンクスのセンスは買い。女優兼監督のバンクス。この作品は監督専任。シャープな演出だし、このテンポのいいパニック&かなりアイロニーを含んだコメディは女性演出家の作品だとはまったく思わなかった。(そういう風に感じるのが、性差の偏見があるかも?と反省したポイント)

 B級といいきってしまえば、この数年の中でもベストに近いB級アメリカ映画。こんな映画、好きだな。