23年映画館愛がとまらない117「銀河鉄道の父」宮沢賢治と父の変わった親子愛。 | con-satoのブログ

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 門井慶喜の直木賞受賞作を映画化した「銀河鉄道の父」。童話作家で詩人の宮沢賢治の生涯と賢治を支えた父との親子愛が描かれている。

 宮沢賢治を演じるのは菅田将暉。父親は役所広司。母に坂井真紀。賢治を慕う妹に森七菜。監督は「八日目の蝉」の成島出。


「銀河鉄道の父」★★★★☆

 役所広司と菅田将暉という日本映画を代表する新旧の名優の共演はさすがに見せる。坂井真紀の控えめな母親もいい。

 特に結核で痩せ細る賢治を演じる菅田将暉はすごい。体全体が薄くなっている。まさに役者魂。ちょっと変わった賢治の父の役所広司もさすがにうまい。田中泯の祖父も頑固な真の強さがある。

 成島出監督の演出は丁寧。ロケもセットも飾らない日本の美しさを持った映画に仕上がっている。

 残念なのは、脚色と森七菜の妹。原作に忠実なのはいいが、どうも原作を追うだけで精一杯。森七菜は賢治より先に結核で亡くなるのだが、菅田の迫真の演技の前に、顔もぽっちゃりして、メイクだけでごまかしていたのは残念。結核で死ぬ役なのだから、痩せたくないなら役を受けない方がいい。