23年映画館愛がとまらない98「ザ・ホエール」ブレンダン・ブレイザーの巨体に驚く名演。 | con-satoのブログ

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 ブレンダン・ブレイザーが今年のアカデミー主演男優賞に輝いた「ザ・ホエール」。「ハムナプトラ」などでアクション映画に主演していた頃の姿とは全く違う、巨漢になって登場した。


「ザ・ホエール」★★★★☆

 監督はダーレン・アロノフスキー。2001年の「レクイレム・フォー・ドリーム」で大きな注目を集め「レスラー」「ザ・ファイター」「ブラックスワン」などでは主演した俳優が数多くの演技賞を手にした名匠。今回は一時、引退の危機にあったスター、ブレンダン・ブレイザーを復活させた。

 彼が演じたのはゲイの中年、チャーリー。恋人を亡くし、自暴自棄になってストレスで巨体になってしまった男。実は彼は若い時に結婚して、子供もいた。しかし、ゲイに目覚めて、家族を捨てた過去がある。

 自分の死期を感じて、最後に、捨ててしまった娘に会いたいと思う男。娘は子供の時に捨てた父親になんて会いたくないと思う、という話。

 アロノフスキーの映画って、いつも普通の価値観を飛び越えている。この映画でも、家族を捨て、恋人に去られた惨めな男にわずかに残された良心を描いている。彼は彼なりに苦痛を感じながら生きてきたのだと。

 それにしても274キロのブレイザーはすごい迫力。渾身の演技とは、まさにこのこと。昔「レイジング・ブル」でデ・ニーロが体重を増やして話題になったけど、その倍以上の増量。