イタリアの俳優兼監督、ナンニ・モレッティ。20代の頃から映画監督として活躍している若き才人だったモレッティ。新作「3つの鍵」が日本公開。ローマの高級メゾンに住む家族が描かれる。さまざまな事件をきっかけに単なる隣人だった人たちの関係、家族の在り方が変化していくドラマ。
「3つの鍵」★★★★★
70年代に低迷するイタリア映画の若き希望の星だったモレッティも現在69歳。最初は軽いコメディ。それが中年に差しかかる40代になって家族の苦悩を描く作家に成長。「息子の部屋」ではカンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞。この映画でも俳優としても登場している。
映画はいろいろな出来事を通じて、自分たちの営みを振り返るいうような人生訓に満ちた内容。 このいちいちが、なかなか手が込んでいる。最上階に住むのはナンニ・モレッティ演じる裁判官夫妻。青年になった息子がいる。映画はこの息子が人を殺してしまう交通事故を起こすことから始まる。人をあやめてしまったのに反省のない息子。裁判官の力を使い、自分の刑を軽くしろと迫る。そんな息子を見限る父親。しかし、母親はそんな息子でも可愛い。
数年が過ぎて、刑期を終えた息子はそれでも親を許せないくて行方をくらます。
他にも娘をおじいさんに悪戯されたと思い暴走する父親など、さまざまな家族がそれぞれの問題を抱える姿を、ひとつのメゾンの下の出来事として描く。
ヨーロッパ映画らしい重く落ち着きのあるテーマ。でもモレッティの語り口は軽やか。この映画の出来事が決して特殊な話でもなく、誰にもあるささやかなドラマだというようだ。
