三谷幸喜の筆が冴える「鎌倉殿の13人」。三谷幸喜ならではこだわりのキャスティングも話題。先日は木曽義高を演じた市川染五郎の美青年ぶりが大きな反響を呼んでいた。
梨園の名門の御曹司なのだから当然いえば当然なのだけど、そんな枠を超えた美青年ぶりは凛々しかった。しかし、自分にとっての「染五郎」は、先先代。現在の白鸚。
初めて一人で観に行ったのは中学生時代。帝劇で「王様と私」。王様は市川染五郎。松竹歌舞伎に戻る前で、東宝ミュージカルの中心的な俳優だった。当たり役の「王様」だけでなく「ラ・マンチャの男」も再演を重ねた代表作。帝劇の大きな舞台が似合うスケールのある俳優だった。
高校生になった時、当時は国立劇場で「高校生のための歌舞伎教室」というのがあった。回舞台の作りなど歌舞伎の見どころを解説して、その後、歌舞伎を見せるという仕立て。
その時、観劇したのが染五郎の「俊寛」。この演目は中村勘三郎が得意とした演目だけど、あの時の染五郎の俊寛が忘れられない名演だった。
高校生のためのという企画モノなのに、手を抜くことのない演技。今でもあのラストシーンの俊寛の姿が目に浮かぶ。
そんな染五郎のお孫さんが今の染五郎君。50年も経てば、そんな時の流れは当然と思いつつ、頭の中では若き染五郎の歌う「見果てぬ夢」が流れている。
