ドキュメンタリー映画「チェチェンへようこそ」はチェチェンの観光映画のようなタイトルだが、内容はまったく違う。サブタイトルは「ゲイの粛清」。まさにこれがこの映画の内容。ロシアの最南端に位置するチェチェン。一時は独立運動も盛んだったよいうだが、今は親ロシア、親プーチンのロシア傀儡政権というべきカディロフが大統領。
この大統領が人権など、まったく無視した政権運営をしている。その象徴がゲイへの弾圧。警察がゲイ狩りをしているというのだ。捕らえられたゲイは携帯電話などが没収されて、そこに残る友人情報を基にさらなるゲイ狩りが行われているのだという。
実際に大統領は「彼らは人間ではない」とさえいい「チェチェンにはゲイなどいない」「もし、いるのなら、この国から出て行けばいい」と語っている。
映画は彼らを保護して国外へ送り出す活動をしているボランティア団体の活躍を追っている。
「チェチェンへようこそ・ゲイの粛清」★★★☆☆。人権など徹底的に無視するロシア政府、プーチンの考えが反映された現実。それを知るのは価値あること。社会的な意味はあるけど、映画としては拙さが目立つ。制約があるのはわかるけど、どうして、この援助団体が海外へ渡り、やりとりができているかが、まったくわからない。それならば映画として違う作りがあったのではないかと思う。国外に逃げたゲイがロシアの裁判所に不当な人権政策を訴える場面がある。しかし、結果はあっさり却下。それはロシアなら当然だと思う。どうして、そこまでするのか、映画を観ている限り納得できない。厳しい現状がわかるけど映画としての表現は弱い。
