30代、会社が東麻布にあった。当時は信濃町に住んでいたので、青山、六本木を経て自転車で通っていた。都心には、今のような高層マンションもなかった時代。都内中心部で自転車に乗る人は少なっかった。(レンタル・パイクもない)
仕事が終わると六本木や赤坂へ自転車で移動した。そんな通勤途中で見かけたセレブ。一人目は中森明菜。当時、狸穴の交差点近くにあった中華雑貨の店「大中」。ここは場所柄深夜まで営業していた。夜10時を過ぎたあたり。六本木としては微妙な時間帯。店には客がほとんどいなかった。そこにやや騒がしい女性が入って来た。ハイテンションで大声で連れの男性と話す女性客。そのシルエットは拒食症手前の痩せすぎなほどスリムな体型。その人が中森明菜だった。ああ、明菜さんと思ったけど、あまりにもイメージ通りだったので可笑しかった。
イメージ通りといえば、その狸穴にある「キャンティ」で夜更けにお茶をしていた時。店には一組の客しかいなかった。その一組の客というのはアントニオ猪木さんと娘さん。猪木さんは僕らが近くに席に座っていることを、まったく気にするようすもなく、娘さんとかなりプラベートな話をしていた。それも、あの体にふさわしい大きなはっきりした声。聞き耳など立てなくても猪木さんの話が聞こえてくる。どうも娘さんに元妻になった倍賞さんとのことを話している。あまりにあからさまなので、これはまずいなと席を立った。さすが、狸穴、セレブも個性が強い。
