マイケル・ウィンターボトムの新作「グリード・ファストファッション帝国の真実」を観て、日頃、GAPやユニクロの特価品に一喜している自分を少し反省した。
以前からいわれているが、世界のファッションブランドは賃金の安い労働者を使い利益を上げている。かなり前の話だけどGAPはグアム島に中国からの安い労働者を囲い込んで、劣悪な労働環境だと批判された。ナイキなども、同様のスキャンダルがあった。
その意味では、この映画の主人公は格別珍しい存在ではない。映画はひたすら、この強欲な経営者を批判する。しかし、この映画を観ていて感じたのは、これを受け入れざるを得ないアジアの政治、経済体制。アジアのファクトリーは経済状況に応じて中国、タイ、スリランカから今はミャンマーなどに移って行っている。
そこにはアジア側のコーディネーターやファクトリー経営者がいる。それに、彼らの日当が欧米に比較して安いといっても物価が違うのだ。その点を無視して、安いとだけ批判しても、あまり意味はないなと感じた。
エンドロールには金にまつわる数字がたくさん出てくる。それは確かに格差の現実。しかし、その富裕層のほとんどが、まともに税金さえ払っていない方がもっと問題だと思う。
マイケル・ウィンターボトムの怒りは理解できるけど、ならば、もう少し違う見せ方があったのかと思う。
「グリード・ファストファッション帝国の真実」★★★☆☆。アイロニーを利かせているつもりなのだろうけど、ウィンターボトムちょっと真面目過ぎ。憎たらしい経営者を演じたスティーブ・クーガンは名演。
