カンヌ男優賞から15年「徹子」に登場した柳楽優弥の成長のたくましさ | con-satoのブログ

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 「誰も知らない」で14歳でカンヌ国際映画祭で男優賞を受賞した、柳楽優弥が「徹子の部屋」に登場した。あの受賞から15年あまり。柳楽優弥は、まもなく30代を迎え、きちんとした立ち位置のある俳優に成長した。

 あまりにも突然の成功だったので、カンヌ受賞後の彼のキャリアは満帆ではなかった。受賞後の数年は主演映画や数々のCMなどオファーが殺到。しかし、現場での「ろくに挨拶もできないチンピラ俳優」という評判を、当時聞いた。そんな影響もあったのか、10代後半からはキャリアも沈滞。自殺未遂騒ぎまで起こった。

 19歳で結婚、20歳でパパになった柳楽優弥。キャリア的にどん底だった時の妻の支え、それに子供の存在が彼の意識を変えたそうだ。一度、ある現場で、妻の豊田エリーさんとご一緒したことがあるが、いい意味で「普通さ」を持っている素敵な女性だった。外見だけ見ればママには見えない。でも、いつでもお嬢さんを大切になさっている様子は、見ているだけで十分に伝わってきた。

 そんな妻の支えもあって20代後半に見事な復活。蜷川幸雄や李相白などの「厳しい」現場を経て、本当にいい俳優になった。14歳でカンヌで受賞した時、是枝監督は「柳楽には演技なんてさせなかったのに、なんで柳楽が男優賞で、俺には賞はないの?」と言っていたそう。確かに現場では、ほとんど演技らしい演技をしていなかったという。そんな演技で国際的な賞をもらったことの光と影を背負ってしまった少年。それが大人になって、挫折を経験して、志の高い俳優になって、それが世間にも認められる。何事も志を高く持って生きてゆくことが大切なのだと、まだ若い柳楽優弥に教わる思い。