ニコラス・ホルトがサリンジャーを好演する「ライ麦畑の反逆児」 | con-satoのブログ

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    ニコラス・ホルトが繊細にサリンジャーを演じる「ライ麦畑の反逆児  ひとりぼっちのサリンジャー」。ぽっちゃりした子役から、美青年俳優に育ったホルトが、見事に伝説の作家役になりきっている。
     話は第二次大戦前夜。ユダヤ系のお金持ちの御曹司、サリンジャー。家業を継げという父親に反発して作家志望。しかし、根っからの反逆児だったサリンジャーはNYUを中退。父親からは「何をしても中途半端」と腐される。
    そんな青年サリンジャーをひたすら信じるのは母親だけ。サリンジャーはやはり作家の夢は捨てられないとコロンビア大学に入る。
    そこで、彼の運命を変える教授に出会う。この教授、兼、文芸誌「ストーリー」の編集長を演じるのがケビン・スペイシー。彼の才能を認めて、育てるクセのある人物をスペイシー、最上の演技で演じる。普通ならアカデミー賞候補になってもおかしくないレベル。
    映画は、著名な劇作家ユージン・オニールの娘ウーナとの悲恋など、サリンジャーの恋愛話も描く。(10代のウーナが結婚したのは、父親のような年齢のチャップリン!)第二次大戦に召集され、戦争体験がトラウマになるサリンジャー。さらに「ライ麦」が売れてセレブになったことによるストレスから出版から手を引いたようすなどが描かれる。
  
     書くという行為は、作家になろうとする者には必然でありながらも、命を削る行為だとわかる。それにしても、惜しいのはケビン・スペイシーの見事な役者ぶりが今後見られそうにないこと。これほど巧みな役者が、プライベートなことで退場させられる現実は重いし、残念。