松坂桃李が主演する「娼年」。彼が演じてるのは、女性に身体を提供する大学生。ファーストシーンから全裸のセックスシーンが始まる。場面は変わり、彼がバイトする下北沢のバーに。そこへホストの知人に連れられた女がやって来る。彼女の正体はボーイズクラブのオーナー。彼は、彼女のセックス試験に合格し、性を売る男になる。監督はやはりセックスを大胆に取り上げた「恋の渦」で評判になった三浦大輔。原作は石田由良。松坂桃李は舞台でも同じ役を演じているのだとか。舞台版はどうだか知らないが、この映画はかなりチープ。貧相で下品なのだ。セックスを扱う場合、表現者に哲学がないと、単なるAVのようになる。性を扱った文学ならデュラスの「ラ・マン」がある。ジャン・ジャック=アノーが映画化した作品もあった。少女が性に溺れ、大人になっていく姿を描いた作品。大人のセックスで印象的だったのはテレビドラマ「セックス・アンド・シティ」。テレビではギリギリのセックス描写があったドラマ。セックスを通じた、男女のあり方がテーマになっていた。性をテーマにするなら、表現者の確固たる性に対する考え方が求められる。しかし、この映画には、そんな文学性や哲学が垣間見れない。画面作りも妙に気取ったわざとらしさ。それが、恥ずかしい。登場する俳優も安い。セックスを扱うから、安くなるのではない。もし、このオーナー役を寺島しのぶがやれば、まったく違うだろう。映画を観る前には、松坂桃李熱演との評判もあったが、裸になれば熱演というものではないだろう。朝ドラも、何か残念だった松坂桃李。毎回、本人の意欲に、結果が着いてこない。今年、最低の日本映画。
