リアム・ニーソンがFBI副長官を演じた「ザ・シークレットマン」。二流アクション映画のようなタイトルに惑わされては、いけない。ウオーターゲート事件の裏側に迫った力作。話はミスターFBIフーバー後任選びから始まる。ニーソンが演じるのは、フーバーに長年支えた副長官マーク・フェルト(彼の名前が原題)。偉大なフーバー後、長官と目されている。しかし、あっさりとフーバーが死に、いよいよ自分がと思ったら、ニクソン政権の影響で、外部から長官が就任してしまう。そんな折に、あのウオーターゲート事件が起こる。政府からの圧力で捜査妨害される副長官マーク・フェルト。彼が出た大胆な行動とは?という話。監督は「パークランド」でケネディ暗殺を描いたピーター・ランデズマン。この映画も「パークランド」と同様にドキュメンタリー・タッチで描かれる。ニクソン政権の横暴、理不尽さに怒る副長官は、ウォーターゲートの内報者「ディープ・スロート」になったのだ。同時に描かれるのは彼のプライベートの問題。一人娘は家出中。妻からはFBIの力を使い捜索しろとの催促。そんな内憂外患を抱えた長官を演じるニーソン。シリアスに演じて適役なのだが、どうしてもベッソン印の安いアクション映画のイメージがつきまとう。この映画、タイトルの安っぽさもあってB級アクションなイメージだが、中身はかなり充実しているA級政治ミステリー。みどころは助演俳優の充実ぶり。妻役のダイアン・レイン(小さな頃からプロフェショナル意識の高い女優)ブルース・グリーンウッド、ジョシュ・ルーカス、マイケル・C・ホール、トム・サイズモアまでしぶい配役。「ER」のトム・ワイリーもチョイ役で登場。
