今年のアカデミー賞最有力の「ラ・ラ・ランド」を観た。現代を舞台にオールドミュージカルスタイルを復活させた作品。ブロードウェイからではなく、映画オリジナル。50年代までのMGM全盛期には、映画オリジナルが当たり前だった。「オズの魔法使い」「雨に唄えば」「バリのアメリカ人」など。60年代以降はブロードウェイのヒット作原作が主流になり、今日まで続いている。実は映画オリジナルミュージカルを現在も続けているのはディズニー。実写版の公開が控える「美人と野獣」など、最初観た時に完全に舞台が想像できた。「アナ雪」も同じ。あのまま舞台になる。「ラ・ラ」を観て、ちょっと残念なのは、ミュージカルの核である楽曲とパフォーマーの実力がミュージカル的でなかったこと。「ラ・ラ」を観た後、映画館に併設されていたDVDショップに立ち寄った。ボブ・フォッシーの72年の名作「キャバレー」を買ってホテルで観た。戦前のベルリンが舞台。退廃的な社会を背景にしたミュージカル。ミュージカルの申し子ライザ・ミネリ(父はビンセント・ミネリ、母はジュディ・ガーランド)代表作。ドラマ性が高いので、ミュージカルとしては異例。しかし、舞台版も演出したフォッシーの演出は完璧。ミュージカル映画の最高傑作の1本。70年代の映画なので、60年代までのような明るさはない。でも、今でも残るフォッシー独特の振り付け(「シカゴ」など)。ライザの歌など画面を圧倒する。これぞ、歴史に残る映画なのだと思った。
